エラリー・クイーン編 No.52.5◇完全犯罪大百科・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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悪徳弁護士、追い剥ぎ、すり……「成し遂げた」犯罪者たち、集まれ!

 
 
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◇完全犯罪大百科・下◇ -Rogue's Gallery

-The Great Criminals of Modern Fiction--

エラリー・クイーン編 厚木淳 訳
 
 
洋の東西を問わず、来し方行く末かわりなく、素人玄人の垣を越えて、ありとあらゆる犯罪者のあくなきテーマである”完全犯罪”。この言葉の蠱惑的に甘美な響き……本書においては、もはや見果てぬ夢ではない。アンソロジスト自ら「ぺてん師エラリー・クイーン」をもって永遠の主題を追及する。善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや─偉大なる犯罪者と彼らの創造者に乾杯!
 
 
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【詐欺師展示場(続)】
 
 
1.サムとヤンキーの同盟者(エリック・ナイト)
  (Sam and His Yankee Allies)
  ……ヤンキー、サム・スモールは出会ったヤンキーの兵士とニワトコ酒商売を始めた。が、儲けの1シリングで一悶着が……
 
 
【悪徳弁護士展示場】
 
 
2.金策(メルヴィル・ディヴィスン・ポースト
  (The Men of the Jimmy)
  ……弁護士メースンのところに依頼人が。依頼人は刑務所の仲間を逃がすために金策を凝らしているらしい。一方、警察はある誘拐事件で変わった提案をされる。
 
 
3.ケリハー事件(トマス・マクモロー)
  (The People Versus Kelleher)
  ……市会議員選挙を控えたニューヨーク14番街で殺人事件が起こった。犯人はその候補者ケリハー氏。無実を確信するリトル・アンビーは奔走する。
 
 
【各種悪党展示場】
 
 
4.(追いはぎ) ソールズベリ裁判(H・B・マリオット・ワトスン)
  (The Salisbury Assizes)
  ……ディック・ターピン追い剥ぎ時代。なぜか新入りの治安判事に間違えられたディックはそのまま裁判所で裁判を取り仕切ることになってしまう!
 
 
5.(贋造師) 真鍮の蛇(R・オースチン・フリーマン
  (The Brazen Serpent)
  ……刑務所から脱走した翌朝。ダンビーは馴染みのパーメンター老人を尋ねる。パーメンターは店舗を買い取り、商売を始めようとしていた。偽造の売り手になることになったダンビーはーーー
 
 
6.(密輸人) 陽動作戦(ウィリアム・ホープ・ホジスン
  (The Red Herring)
  ……ゴールト船長は船の検査員2人を買収し、"飾り物"持ち込みを手伝わせることに。ところが、決行当日までゴールト船長は2人に裏切られてしまう。
 
 
7.(密輸人) 海外電報(T・S・ストリブリング
  (The Cablegram)
  ……マイアミ税関が意味深な海外電報が届いた。解読できないのだ。税官吏スライデンベリーに助けを求められ、犯罪心理学者のポッジォリは問題のスタンホープ号に乗船することに。
 
 
8.(すり) 愛国者、地下鉄サム(ジョンストン・マッカレー
  (Thubway Tham, Thvilian)
  ……戦争中。地下鉄サムはいかさまで兵士から金を巻き上げた若者に怒りを覚え、その財布をすることにした。邪魔をするのは宿敵クラドック刑事!
 
 
9.(山賊) アンドルー・ラング三つの事件(チャールズ・J・フィンガー)
  (Adventures of Andrew Lang)
  ……アンドルー・ラングが関わった非道で残虐でしかしはっきり密告できない3つの事件。
 
 
10.(モダン・ロビン・フッド) 盲点 (レスリー・チャーテリス)
  (The Blind Spot)
  ……〈聖者〉ことサイモンは目の前で線路に飛び込んだ男を助ける。男は発明家なのだが、その発明を騙し取られたと言うのだ。〈聖者〉は騙した男の元に行き、ある化学式を残す。
 
 
11.(ぺてん師) ぺてん師エラリー・クイーン (エラリー・クイーン
  (Ellery Queen, Swindler)
  ……グラントは宝石商のフンパーディンクにかけなしの4000ドルを騙し取られてしまう。助けを求められたエラリーがやったことは……ニッキーとの結婚!?
 
 
12.(トランプいかさま師) ショーダウン(パット・ハンド)
  (The Showdown)
  ……そのテーブルは一触即発の状態だった。そのテーブルには2人プロのトランプいかさま師がいるというのだ! そして掛け金とその2人の処罰をかけてゲームが行われる……
 
 
13.(背任横領者) 柳の並木道(シンクレア・ルイス)
  (The Willow Walk)
  ……ジャスパー・ホルトは銀行から大金を盗み、彼の双子の兄として新しい人生を生きることに。ところがその運命は……
 
 
14.(組織暴力団) 街を求む(フレドリック・ブラウン
  (Town Wanted)
  ……ジミーは組長と袂を分かち、街を出た。たどり着いた街は果たしてジミーの求めている街だろうかーーー
 
 
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「完全犯罪大百科・下」です(・∀・)
 
 
下巻も多種多様の犯罪者が餌食にしようと貴方を待っています←
 
 
下巻は上巻以上に多種多様、入ったら最後大損しかしない詐欺師から始まり、法律の盲点掻い潜って犯罪を黙殺してしまう悪徳弁護士に、追い剥ぎ、すり、贋造師、密輸人、ペテン師etc……犯罪者、ここに極まれり状態です(爆)
 
 
悪党見本市は興味本位で行くと最悪死にます。良くて財布をすられるかまがい物を買わされて警察のお尋ね者になるか……あと身ぐるみ剥がされるか。かといってそこのデパートの弁護士に相談してもなしのつぶて。
いい人は来てはいけない。来て良いのは犯罪を商売にする人だけです!
そういう人は逆に犯罪者を丸め込み、完全犯罪方法をGETし財布を擦られることもなければお尋ね者にもならない上に生きて帰れます(ただし無傷ではない)。それが小説家です。小説家というのはみんな図太いのかもしれない……←
 
 
本書に戻りましょう。
本書で語るのはこれ。まさかのエラリーが犯罪者!?
最初見た時は「え、誰かがエラリーの名前を騙ってるwww ウケるwww.」とタカをくくっていたらまさかの本人だった!!
まぁ、ペテン師だから詐欺師とも違うけど……ギリギリセーフ? あとニッキー、お久しぶり(OvO)
 
 
エラリー以外でも人助けのために犯罪を武器にする人が多かったです。特に8とか意外な結末に感動しました。そして女の子、ナイス!
4は人違いで治安判事をやることになる追い剥ぎの話。悪人だけどちょっとだけいい話が入っています。
 
 
怖いのは9と13。特に13は唯一犯罪が立証しなかった故の悲劇でゾッとします。自分に罪をなすりつけて始末して新しい人間になりたいと考えた人はまずこれを読むように。本気でその気を無くす。
 
 
犯罪はいけません。本書は完全犯罪を成し遂げることで罪を犯すことに対して警鐘を鳴らしているとも言えます。
 
 
とはいえ、そんな犯罪者たちを一堂に集めたエラリー・クイーン編者と本書のきっかけを作った元祖のあの文豪に乾杯!
 
 
「完全犯罪大百科・下」でした(・∀・)/
次はディクスン・カーがあの方の人生を語ります(*^o^*)/~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「読書室にはニューゲート・カレンダーや推理小説、カルトゥーシュ、ラスネール、チャールズ・ピース(いずれも著名な盗賊)、モル・フランダース(デフォーの小説の女主人公で、不幸な境遇から犯行を重ねる)をはじめ、実在や物語中のもっとも悪名高い人物たちの伝記を並べるべきである」
 
 
*〈ザ・ニュー・レパブリック〉の1921年12月21日号に掲載の〈公立図書館の見過ごされている諸点〉より ーーージョージ・バーナード・ショー