ジョン・ディクスン・カー No.37◇ビロードの悪魔◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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フェントン教授、17世紀の英国で「ビロードの悪魔」となるーーー

「剣と恋」と悪魔の歴史ミステリ!
 
 
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◇ビロードの悪魔◇ -The Devil in Velvet-
ジョン・ディクスン・カー 吉田誠一 訳
 
 
歴史学教授フェントンは昔日のある事件を調べたい一心で悪魔と契約を交し時を遡った。300年前の同姓同名の貴族に乗り移り、その妻リディアが毒殺された事件を自ら解明しようというのだ。きっかけは、当時の事件の顛末を記した執事の手記だった。なぜか事件解明の部分だけが欠落していたのだ。手記の紛失は一体何を意味するのか? そして過去の謎に挑むフェントンは、リディア毒殺を防ぎ歴史を作り変えられるのか?
騎士物語を彷彿させる華麗な恋愛模様と壮絶な剣戟場面を織り込み、中世英国を舞台にものした幻想的な歴史ミステリ巨編!
 
 
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300年前の未解決事件の裏にはなにが?
 
 
歴史学教授のフェントンはある手記を見つけた。その手記は自分と同じ名前のニック・フェントン卿夫人リディア毒殺事件の顛末を書いたものだが、肝心の事件解明だけ欠けていたのだ。
 
 
それが意味するものは? フェントン教授はその事件を解決しようとなんと悪魔の力を借りてそのニック・フェントン教授の身体に乗り移った。
 
 
果たしてそれは成功し、フェントン教授は使用人たちと執事ガイルズ、友人ジョージ・ハーヴェルと一緒にリディアの命を守るべく奔走する。しかし時代が不安定なこの頃、フェントン教授は国王派、反国王派の陰謀に巻き込まれていくーーー
 
 
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「ビロードの悪魔」です(・∀・)
 
 
本作も歴史ミステリに括られるジャンルですが、「ニューゲイトの花嫁」と比べるとより推理小説! の味が濃くなっています。
 
 
何しろ300年前の殺人事件を解決するためにタイムスリップしちゃうんですから!
タイムスリップしちゃうわ、その際、悪魔が手助けしちゃうとかファンタジックですが、それが合っているんだから堪りません。
 
 
本物のニック卿とニック卿に乗り移ったフェントン教授、変化に戸惑いつつも信頼関係を築く妻リディアとガイルズら使用人、親友ジョージ。
ものすごく「ゼンダ城の虜」と重なります。
特にリディア。フラビア姫の心情とよく似たものを抱いたのではないでしょうか。
 
 
使用人たちとフェントン教授が暴徒相手に闘ったり、祝勝会をあげたりするシーンが大好きです。相反する登場人物たちが同志を感じるところがツボです←
 
 
フェントン教授は未来から来たので当然、先のことは分かります。あまりにも予言(=未来における事実)が当たるので「ビロードの悪魔」と呼ばれるようになります。
 
 
「ビロードの悪魔」。最初は予言めいたことを言うフェントン教授のことかと思っていましたが、ラストのラストでもう1つの意味に気づくことになります。
いやー、恐ろしい。カーって題名を考えるセンス抜群です。そのセンス欲しいです←
 
 
「ビロードの悪魔」でした(・∀・)/
次はアシモフで今度は脳に行きます←(*^o^*)/~