「ヴァンパイア」はさながら「塔」に自身の欲望を閉じ込める。珠玉のラジオミステリ集!
ジョン・ディクスン・カー 大村・高見・深町 訳
全員が互いに手を取り合っている降霊会の最中、縛られたままの心霊研究家が殺される。密室状況下で死んでいた男は自殺かと思われたが、死体の周囲に凶器が見あたらない、等々、カーの本領が発揮された不可能興味の横溢するラジオ・ドラマ集。クリスマス・ストーリー「刑事の休日」を併載。巻末には松田道弘の「新カー問答」を収める。
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1.暗黒の一瞬
(The Black Minute)
……マージェリーは心霊研究家ライヴンが行う降霊会に参加することに。マージェリーはライヴンをペテンと疑わないが、そのライヴンが降霊会中に殺された!
2.悪魔の使徒
(The Devil's Saint)
……ホワイトフォードは婚約を認めてもらうべく、婚約者とその伯父が住むアゼイ城のタペストリーの間に泊まることに。しかしそこに泊まった者はことごとく死んでおり……
3.プールのなかの竜
(The Dragon in the Pool)
……メアリーは先日父親を亡くしたばかり。メアリーはその殺人犯が義兄トニーだと告発する。トニーは当然取り合わなかったが……
4.死者の眠りは浅い
(The Dead Sleep Lightly)
……深夜のフェル博士のところに来客があった。来客ペンドルドンはかつて捨てた女の幽霊に悩まされていた。繋がらない電話から彼女の声を聞いたと言うのだ!
5.死の四方位
(Death Has Four Face)
6.ヴァンパイアの塔
(Vampire Tower)
……村の祭りでアランを占った占い師は婚約者バーバラの名前を聞いた途端、顔色が変わった。果たして彼女が何者かを言う前にバーバラが発砲した!?
7.悪魔の原稿
(The Devil Manuscript)
……弁護士マーシュは知り合いで怪奇小説家のコールストンから賭けを持ちかけられる。自分は究極の怪奇小説を書き上げた。相応しい環境下で読んでみろ。と。そして……
8.白虎の通路
(White Tigger Passage)
……フランスから〈並木通りの切り裂き魔〉を追って来たデュシェーヌ刑事が〈白虎の通路〉で殺されてしまった。彼から話を聞いた記者ビルは友人ジェニーとその切り裂き魔を追う。
9.亡者の家
(The Villa of the Damned)
……アランとブレンダ夫婦は知人のビカンカ・ダ・カルピを尋ねる。彼女の一族の伝説には曰く付きもあった。無惨に殺された先祖が蘇ったのか? 窓から見えるはずの景色が消えていた!?
10.刑事の休日
(Scotland Yard's Christmass)
……クリスマス間近のロンドン。"大佐"と呼ばれた強盗とその部下が宝石と一緒に姿をくらました。電話ボックスに入ったのは見た。しかしそれっきり消えてしまったのだ!
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「ヴァンパイアの塔」です(・∀・)
ラジオドラマで名探偵! ディクスン・カーVerです。
ディクスン・カーもエラリー・クイーンと同様、たくさんのラジオドラマを書きました。
ただクイーンと違うのはラジオドラマがミステリーだけに留まらないことです。
そして後味がかなり怖いことです。
最後にゾッとします。寒気がするほど怖いです。
やっぱり短篇のものほど怖いよー(((゜д゜;)))
クイーンの時も思いましたが、ラジオドラマでも不可能犯罪を成せるのはすごいと思います。ラジオって音と会話だけで成り立っていますからね。序でダグラス・グリーンが書いていますが、ラジオ台本は小説書いたり、テレビ・映画台本を書くのとはまた違う書き方を要求されるんですよね。音と会話だけで聴取者がフェアに推理できるか。すごく難易度高いと思います。ラジオならではの強みもあるとは思いますが……
「ヴァンパイアの塔」でした(・∀・)/
次はアシモフでとんでもなく大きな星を買います!?(*^o^*)/~