エラリー・クイーン No.35◇最後の一撃◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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クリスマス・プレゼントの贈り主は、死神。

27年後に導かれた真実とは?
 
 
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◇最後の一撃◇ -The Finishing Stroke-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
 
 
事件の発端は1905年に遡る。折からの大雪で自動車が転覆し、懐妊中の妻は双生児を産み落とし死んだ。夫は妻に死をもたらした二番目の子を憎むあまり、その子を立会いの医師にくれてしまったが、その数日後、事故で受けた傷のため夫も他界してしまった……そして25年の歳月が流れた1930年のクリスマス、探偵としての第一歩を踏み出したエラリイが初めて手がけた呪われた殺人事件が起こった! 今や成長した双生児の長男を巡るこの殺人は、しかしさらに27年を経、エラリイが50歳の坂を越した1957年を待たねば解決をみないほどの難事件だった!
 
 
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1905年。雪の中で交通事故があった。乗っていたのは1組の夫婦で妻はその事故で産気づいて2人の子どもを産んで死んだ。夫は2番目の子を出産に立ち会った医者に押し付け、自分もその傷が元で死んだ。
 
 
それから25年後。大きくなったジョン・セバスチャンはエラリーらをはじめとする友人たちと一緒にクリスマス・パーティーを楽しんでいた。彼は婚約者ラスティーとの結婚を控え、自分の詩集を出版したりと前途洋々だった。
 
 
ところが正体不明のサンタクロースに贈り主不明のプレゼント、さらには身元不明の遺体が見つかったりと場の空気は一気に緊張する。人間関係にも亀裂が入り、贈り主不明のプレゼントの家はどんどん完成していく。そしてジョン自身にも奇妙な現象がーーー
 
 
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「最後の一撃」です(・∀・)
 
 
実はこの作品はエラリー・クイーン最後の事件になるはずだった事件でした。
まぁ、実際は「心地よく秘密めいた場所」まで続く訳ですが(苦笑) 終わりにされたらミステリ・ファンは泣いちゃうよ←
 
 
でもちょっとおかしなところが。
 
 
そして25年の歳月が流れた1930年のクリスマス、探偵としての第一歩を踏み出したエラリイが初めて手がけた呪われた殺人事件が起こった!
 
 
初めての事件は「ギリシャ棺の秘密」でしょう!?
しかも年齢もおかしい。25歳じゃハーバート大学を出たばかりの歳でもない。どうなってるの!
 
 
エラリーのプロフィールは謎と矛盾が多いですが、今回が1番謎だ!
 
 
さて本書。
 
 
「…………これ、27年引きずるような事件か!?」
っていうか27年後の再調査過程が淡々と簡単に終わってしまうのでこの場面いるの!? とまで思ってしまった…… 
 
 
1930年の事件にエラリーを関わらせないで27年後に過去の事件としてこの事件を再調査するか、27年引きずらないでその場で解決したほうがこの話、よかったと思うんだけど……
 
 
正体不明のサンタクロース、贈り主不明のプレゼント、刻々と形になっていく不気味な家と魅力的な謎が盛りだくさんだっただけに話の流れが残念過ぎる……
 
 
この作品は最後の事件の位置付けにあるのでエラリーが老いています。想像つかないよ……それが事件解決に必要だったのは分かりますが、27年って長いと思うんだ。27年じゃとっくに時効だよ!?
 
 
でも面白いこともあって若いエラリーが「ファイロ・ヴァンスまがいの読書狂」と揶揄されていますwww
そっか~。エラリーってファイロと比べられるのが嫌だったのか~(笑)
作中でホームズやチェスタトンが引き合いに出されるのに対して影響を受けた張本人が全く出てこない理由が分かりました(笑)
 
 
「最後の一撃」でした(・∀・)/
次はディクスン・カーで「パリから来た紳士」です(*^o^*)/~