遥か彼方の宇宙と科学を生きる者たちのドラマ。
◇停滞空間◇ -Nine Tomorrows-
アイザック・アシモフ 伊藤典夫・他 訳
時力線と平行に動き、エネルギーの過不足のない場〈停滞空間〉。この別の宇宙を通り抜けて、4万年前からネアンデルタール人の子供ティモシィは連れてこられた。最初ティモシィの異様な姿に恐れをなした世話係りのミス・フェローズも、やがて限りない愛情をその猿人の少年にそそぐようになっていく……表題作「停滞空間」をはじめ、万能コンピュータ〈マルチヴァク〉の不可解な行動を描いた「世界のあらゆる悩み」美貌の妻ヒルダぬきで、太陽系随一の繁華街マーズポートでのエージェントの活躍を描く「ヒルダぬきでマーズポートに」など巨匠が著わした九つの未来の物語。
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1.プロフェッション
(Profession)
……人の頭脳で職業が決められる世界。就きたい職業どころか、何者にもなれなかったジョージは年に1回行われる職業オリンピックを前に施設を脱出することを決めた。
2.ナンバー計画
(The Feeling of Power)
……小男オーブはコンピュータに頼らずとも紙とペンで計算する方法を編み出した。コンピュータ依存を阻止する、という目的の裏には恐ろしい計画があった。
3.やがて明ける夜
(The Dying Night)
……惑星間会議のため、久しぶりに地球に戻った3人の若者。それは懐かしい友との邂逅でもあった。病気のため地球に居残った友はある発明を成し遂げたらしいがーーー
4.ヒルダぬきでマーズポートへ
(I'm in Marsport without Hilda)
……マックスは妻のヒルダなしで繁華街マーズポートに降り立った。チャンスとばかりに女の子に連絡を取ったが、なんとそこに急な仕事が!
5.やさしいハゲタカ
(The Gentle Vultures)
……銀河系で唯一生き残り、他の核戦争の生き残りを助けることで栄えるフルリア人。彼らはとある惑星に基地を設け、核戦争が起こるのを今か今かと待ってきたが、なかなか核戦争は起こらない……
6.世界のあらゆる悩み
(All the Troubles of the World)
……あらゆる事業、経済、科学、地球人を管理、記憶、予測する万能コンピュータ〈マルチヴァク〉。〈マルチヴァク〉は犯罪を予測するが、対象を拘束しても犯罪発生率が下がらない……
7.ZをSに
(Spell My Name with an S)
……ゼバンチェスキィは世に認められたい、成功したいと願っていた。藁にも縋る思いで数で占う数霊術師のところへ行くが、そこで受けたのはZをSに変えること。ゼバンチェスキィは早速実行するが、それが思わぬ誤解を招いた?
8.最後の質問
(The Last Question)
……万能コンピュータ〈マルチヴァク〉は太陽エネルギー転換方法を開発し、エネルギー不足の心配は無くなった。しかしそれは太陽が燃え尽きるまでだ。永遠じゃない。ルポフはとある質問をするが、それはただの好奇心のはずだった。
9.停滞空間
(The Ugly Little Boy)
……過去からのものを持ち込むことができる、ある意味隔離された空間「停滞空間」。その中で看護師のミス・フェローズと遥か4万年前のネアンデルタール人ティモシィは出会った。ティモシィは確かに「停滞空間」の力を立証したが、思わぬ悲劇につながる……
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ちょっと間が空きましたが、わたしは元気です(笑)
「停滞空間」です(・∀・)
全9編!
遥か彼方の宇宙と科学のドラマです。
異星人もいますが、ほとんどが地球人で、地球が舞台です。
前回の「火星人の方法」が軽く読めるのに対して、今回は重くて真面目な話が多いです。
中でも「停滞空間」は最後、泣きそうになりました。「ナンバー計画」と「やさしいハゲタカ」は最後が苦しいです。
とはいえ、ユーモラスがあるものもあるんですけどね! あとSFミステリーも!
あ、あと「やがて明ける夜」で探偵を勤めるアース博士は「アシモフのミステリ世界」にも登場します。お楽しみに(°∀°)b
「停滞空間」でした(・∀・)/
次はエラリーの12カ月です(*^o^*)/~