カーター・ディクスン No.19◇青銅ランプの呪◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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人を消す「青銅ランプの呪」は本物なのか。

消えた娘の運命は!?
 
 
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◇青銅ランプの呪◇ -The Curse of the Bronze Lamp-
カーター・ディクスン 後藤安彦 訳
 
 
エジプトの王墓から発見された青銅のランプには呪がかかっている、と男は言った。そして、調査隊の一人、ヘレン・ローリングは信じがたい状況で、予言通りにこの世から魔法のように消え失せてしまったのだ! さらに謎の男は、次の犠牲者を予告した……。エラリー・クイーンと語り明かした結果、事件の発端として「最も魅力的」と結論されたという、人間消失の謎に挑んだ名作。
 
 
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墓の発掘品は呪い付き。
 
 
エジプトの墓から青銅ランプや黄金の箱と短剣を発掘したセヴァーン伯爵とジルレー教授。ところが直後、ジルレー教授が蠍に刺されて死亡し、それが呪いと噂されるように。
 
 
ヘレンは青銅ランプを貰い受けるが、現地の者に「あなたは決して部屋に入ることはできない、煙のように消えてしまうから」と予言される。
 
 
その予言は本当だった。一足先に屋敷に入ったはずのヘレンが消えてしまったのだ。かといって出れたはずがない。空中消滅してしまったのだ。
 
 
黄金の箱と短剣、消えた肖像画。H.M卿はこれらをヘレン消滅とどう結びつける? そして青銅ランプの呪はそれだけに留まらなかった!
 
 
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「青銅ランプの呪」です(・∀・)
 
 
まさかのエラリー・クイーン献上作品!
カーとエラリー・クイーンが語りに語り尽くした結果「最も魅力的な謎って人間消失だよね」と推理小説にしたのが本作だとか。
 
 
さらに呪われた品物が絡んでいます。その物、曰く付きな物が登場する話は「魔女の隠れ家」「赤後家の殺人」以来ですかね。
エジプトに関わる墓の不可解な呪いはクリスティーの「エジプト墓の謎」にも登場しますね。
 
 
さて。
 
 
人間消失! 跡形もなく消え去る、生死不明、神隠しと謳われる、痕跡を残さない分、ある意味、殺人事件よりも不気味な代物です。
 
 
あ、これ、あの人流だ。
最初からこう食ってかかったわたしは「こうかな? そしてああかな?」と予想しながら読んでいました。しかも大筋正解でしたorz とんでもなく面白くない読み方ですが、思ってしまったんだからしょうがない!← 
というかエラリー・クイーンは作品中でこの人をよく言及するのであの話、知らない訳がないんですよ……
 
 
さて、H.M卿。カイロでタクシー運転手と喧嘩をやらかし、ヘレン嬢が予言をぶちまけられる場面に居合わせます。
 
 
H.M卿がまたやらかしたwww しかも長く語り継がれるような喧嘩www いい加減にしないと変な意味で有名になっちゃうよ、もうなってるか(苦笑)
回顧録に続き、今回はスクラップ・ブックが登場。執事ベンソンと見せ合いっこするとこは結構好きです。
 
 
最後、後味悪く終わったらどうしようと思いましたが、そうは問屋がおろさない! ああ、良かった。じゃなかったら一生責めたでしょう。
 
 
「青銅ランプの呪」でした(・∀・)/
次回はアシモフ「火星人の方法」です(*^o^*)/~