ジョン・ディクスン・カー No.19◇曲がった蝶番◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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「曲がった蝶番」は忌まわしき事件の扉を開ける。

現実と怪奇の合間に立たされるフェル博士!
 
 
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◇曲がった蝶番◇ -The Crooked Hinge-
ジョン・ディクスン・カー 三角和代 訳
 
 
1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。 渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと言う。あの沈没の夜に─。 やがて、決定的な証拠によって事件が決しようとした矢先に、不可解極まりない事件が発生した!  巨匠カーによるフェル博士登場の逸品、新訳版。
 
 
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偽者は、本物は、どっち?
 
 
爵位と土地を継承したファーンリー卿のところに1人の男が我こそが本物のファーンリー卿であると名乗り出た。この非常事態に友人のペイジも同席することに。
 
 
名乗り出た男はパトリック・ゴアと言い、ファーンリー卿とはあのタイタニック号で出会い、そこで入れ替わったのだ。と主張する。
 
 
現在、本物のファーンリー卿を見分けられるのは昔、家庭教師をやっていたケネット・マリーただ1人。マリーは指紋という堅固な証拠で正体を見分けることに。
 
 
それには時間がかかるということで部屋を出、バラバラになった各人。しかしそこで惨劇が。"ファーンリー卿"が死んだのだ! しかし状況からして自殺なのか殺人なのか断言できない。
 
 
"ファーンリー卿"は偽者だったのか? その謎も解けないまま、フェル博士の前に1年前の事件と金の機械人形が立ちはだかる!
 
 
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「曲がった蝶番」です(・∀・)
 
 
久しぶりのフェル博士です。
実に約3ヶ月ぶりです。
 
 
さて偽者はどっち? という魅力的な謎に様々な場所で物語で語り草になっているタイタニック号が隠し味として登場します。タイタニック号ってほんとに創作の宝庫ですね←
 
 
"ファーンリー卿"の正体は殺人の時点で一区切りついた、と思うところがそうは問屋が卸さないのが推理小説です。指紋を残した手帳が盗まれるは、新たな謎が登場するはでてんやわんやです。
死の真相は衝撃でした。一言で全部分かります。その威力は夢中になって本を読んでいるところにいきなり肩を叩かれてびっくりするぐらいの威力です。一言で全てを解明するトリックは結構好きです。
 
 
「カーお得意の怪奇はー?」
お答えしましょう。あります! それどころかこの怪奇趣味が本作の主人公でもあります。しかも最初、表に出ない分準備ができていないので怖さ倍増です。
正確には表紙の機械人形が!
 
 
やー、この機械人形、見かけからして不気味ですよね。左目のところが欠けているところが怖さと不気味さを醸し出しています。
 
 
もしこの機械人形が勝 手 に 動 い た ら ?
もしこの機械人形が誰もいないところに佇 ん で い た ら ?
 
 
怖すぎる。
間違えても夜中にひとりぼっちの家の中で読むものじゃない。
 
 
推理小説と怪奇を同時に楽しみたい人、おすすめです!
 
 
「曲がった蝶番」です(・∀・)/
次はアシモフで「暗黒星雲のかなたに」です(*^o^*)/~