ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン◇フラテイの暗号◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

美しい島で見つかった死体ーーーその島に伝わる伝承の書の暗号の真の意味とは?

 
 
{4186A600-2F7F-494A-8CED-D308E88E818A:01}

 
◇フラテイの暗号◇ -Flateyjargat-
ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン 北川和代 訳
 
 
西アイスランドの美しいフィヨルドの湾に浮かぶフラテイ島。その島からアザラシ猟のため無人島に上陸した少年が見つけたのは、死後かなり経過した男性の死体だった。死体のポケットには、意味不明の言葉が書かれた紙切れが。伝承を集めた『フラテイの書』に隠された、災いをもたらす暗号の鍵なのか。“ガラスの鑑賞”候補作。アイスランドの島を舞台にした癒やしの北欧ミステリ。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
西アイスランドに位置する無人島で死体が見つかった。見つけたのはフラテイ島からアザラシ漁に来た少年で、死体は死後、大分経過していた。
 
 
キャルタンは地区長代理として死体を引き取りに来た。その調査まで行うこと羽目になったキャルタンの前に立ちはだかるのはアイスランドの伝承の書「フラテイの書」だった。
 
 
それはアイスランドの伝承を集めたもので解くと災いをもたらす暗号が込められていた。死んだ男はーーーその暗号を解こうとしたのか?
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
「フラテイの暗号」です(・∀・)
 
 
ついに……ついに……ついに北欧ミステリの扉を叩きました。
 
 
「湿地」を読んで大ダメージを被ってからというもの、北欧ミステリは敬遠していたのですが、北欧そのものは好きだし、やっぱり読みたいという気持ちはどんどん募って……そんな時に本書に出会ったのです。
 
 
「癒しの北欧ミステリなら……まだ「うごっ(><;)」とならずに読めるかな?」
と思って読み始め……
 
 
うん、確かに「湿地」ほどの湿気の纏わりつきさや後々まで尾を引く嫌な気持ちはない。確かにないが。
 
 
死者が全てを握っている。は同じだった!
北欧ミステリはあらすじなどを読む限り、なぜ殺されたのか?(または「なぜ殺したのか?」)がかなり大事のような気がします。
もともと社会批判を込めて書いているので探偵役を務める主人公以上に被害者も大事なんですね、きっと。
 
 
あと過去。これもかなり大事です。登場人物も主人公もみんな暗い過去を持っています。読んでいて本当にあった怖い飲み会を思い出しました←
 
 
最後の希望を感じさせてくれるラストが好きです。
夏近くの美しい島の描写と合わさって静かな感動をもたらすラストです。
 
 
さて、「フラテイの書」とは。
「フラテイの書」はサガを集めた写本なんですね。エッダではなく、エッダは北欧全体の言い伝えですが、サガはアイスランドやノルウェーの話が多いので写本の時に本書のようなトラブルが発生するわけです。 
ただ暗号部分はフィクション……だと思いますが(苦笑)
 
 
もっとも美しいと謳われるフラテイの書……1回生で見たいです。
 
 
本書をきっかけに少しずつでも北欧ミステリーも読もうと思いました(*^-^)b
 
 
「フラテイの暗号」でした(・∀・)/
次はディクスン・カーで歴史ミステリ「火刑法廷」です(*^o^*)/~