ジョン・ディクスン・カー No.10◇盲目の理髪師◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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ドタバタ騒ぎと血の匂いが漂う客船に「盲目の理髪師」が佇む。

フェル博士、椅子に座って事件を解く!
 
 
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◇盲目の理髪師◇ -The Blind Barber-
ジョン・ディクスン・カー 井上一夫 訳
 
 
大西洋をイギリスに向かう豪華客船クィーン・ヴィクトリア号で事件が発生した、二つの盗難事件と殺人事件。すれ違いと酔っぱらいのどんちゃん騒ぎのうちに、消えたはずの宝石は現われ、死体は忽然と消え失せる。笑いとサスペンスが同居する怪事件の真相やいかに? 巨匠カーの作品中、もっともファルスの味が濃いとされる本書はまた、フェル博士が安楽椅子探偵を務める本格編でもある。
 
 
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豪華客船は事件の宝庫である。
 
 
推理小説家モーガンはクイーン・ヴィクトリア号でこれまたトラブルに巻き込まれる。
 
 
船で仲良くなった外交官ウォーレンが、叔父で政治家の大物の醜聞を収録したフィルムが何者かに盗まれてしまったのだ。
モーガンは仲良くなった何人かの乗客と奪還作戦に出る。
 
 
しかしなんと災難なことに殴り合いをしちゃったり、盗まれたエメラルドの窃盗犯にされたり、瀕死の女性が跡形もなく消えたり、信じてくれる者はごく少数で、モーガンたちの身には不利なことだらけ。
 
 
しかし瀕死の女性は本当にいた。その消えた跡に、血まみれの剃刀ーーー「盲目の理髪師」が佇んでいたのだ。
 
 
モーガンは這々の体で、フェル博士に助けを求める。
 
 
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えー、お久しぶりです^ ^;
日数が空きましたが、わたしは元気です(笑)
 
 
そんなわけで「盲目の理髪師」です。
前回、素人探偵団の1人に過ぎなかったヘンリー・モーガンことハンクが今度は語り手として登場。
 
 
今作はアメリカから英国へ渡るクイーン・ヴィクトリア号でとんでもドタバタに巻き込まれ、フェル博士に助けを求める形で話が進んでいきます。
 
さて、序章で書かれたファルスとなんでしょうか。
辞書を引きますと、
 
 
ファルス【farce】フランス語。
滑稽なドタバタ劇。笑劇。
 
 
つまり、笑いとサスペンスのドタバタ劇でいいんでしょうか!? いいんですよね!?←
 
 
確かにこの話は、
一難去ったらまた一難。
ほとんどヤケクソパッチ。
会いたい物(人)にいつ会える? どこで会える!?
を地で行ってますね。
 
 
笑えると言うか、
「そこまで運がないか(苦笑)!」って感じです(笑)
 
ここまですれ違いされると当分、船旅なんてゴメンですね(笑)
 
 
でもこれはハンクの協力者にも責任(?)があるような(^▽^;)
豪快だが頭の悪くない元船長。活発で勇気もあるがやはり女性なレディー。せっかちな外交官。大物の推薦状が欲しいセールスマン。意外にしたたかなご婦人と来たらハンクは否が応でも冒険しなきゃならない(爆笑)
 
 
さて、我らが探偵フェル博士。
前回以上に出番がない。
 
 
出るのは序盤と間話と終盤。というかこの話ではフェル博士は安楽椅子探偵になっているので一番行動範囲も狭いんですよ←
 
 
というかミス・マープルの時も思いましたが、
よく相手の一方的な話で事件解けるな。
相手の何気なーい言葉を何気なーいで片付けず、なに一つ見逃さないところが名探偵と言われる所以ですね。
 
……と書きつつも、
「最初はありありと覚えていると思っていても(書いていても)時間が経てば、記憶が曖昧になっている可能性だって無きにしも非ずじゃないですか」
……って思ったりもする←
 
 
ちなみにフェル博士はこのファルスも好きの1つだとか。フェル博士がクイーン・ヴィクトリア号に乗り合わせたら、なんだかんだ言いながら喜びそうです(´∀`)
 
 
「盲目の理髪師」でした(・∀・)/
次回はチェスタトン氏の「世にも奇妙な商売方法」がテーマです(*^o^*)/~(笑)