幽霊に支配された「プレーグ・コート」荘に死者の短剣が振り下ろされる。
名探偵H.M卿の登場!
◇プレーグ・コートの殺人◇ -The Plarge Court Murders-
カーター・ディクスン 仁賀克雄 訳
プレーグ・コート─黒死病流行の時代に端を発する奇怪な呪詛に満ちたこの邸は、今や降霊術が行なわれる幽霊屋敷として知られていた。そしてその降霊術の夜、石室に籠もった降霊術師は血の海に横たわり、無残な姿で発見された。完全な密室だった石室の周囲は、当夜の雨のため泥の海と化し、足跡さえも残っていなかった。しかも死体の傍らには凶器と思われる短剣が……初登場のH・M卿と奸智にたけた犯人の息づまる対決!
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わたしことケンウッド・ブレークは友人のディーン・ハリディから相談を持ちかけられる。
自分の屋敷、プレーグ・コートに幽霊が出る。という怪しげな心霊学者の言うことを自分の叔母と婚約者がすっかり信じ込んでしまった。降霊術を行うとまで言うのでそれをなんとかしたいと言う。
もともとプレーグ・コートは黒死病時代からとある人物の呪いにかけられた曰く付きだった。
わたしはスコットランド・ヤードのマスターズと一緒にプレーグ・コートに赴くが、石室に篭っていた降霊術者が無残に殺されてしまう!
しかし中は完全な密室、足跡もなく、凶器の短剣は死体のそばに……
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というわけで4月になりました(*^.^*)
4月の第一弾は「プレーグ・コートの殺人」です(・∀・)
H.M卿の登場です。
この人はギデオン・フェル博士並みの巨漢で口が悪くて態度もものぐさな個性的な人です。ちょっと付き合う人を選びますね。
戦争時代は華々しく活躍してましたが、戦争が終わると閑職に追いやられてしまいました。窓際族ってやつでしょうか。
しかしマスターズから事件を持ち込まれると罵詈雑言を捨て、たちまた事件解決のために頭を働かせます。
今作はそんなH.M卿の初登場作品だったのですが、
なんと鮮やかなトリック!
その発想はなかったわ! そんなものまでそうなるか……!
犯人は意外も意外。複雑な人間関係に余韻を残すラスト。H.M卿の言葉が尾を引きます。この人の作品はラストに深く、時にはゾッとする余韻を残します。
「プレーグ・コートの殺人」でした(・∀・)/
次回はついにブラウン神父! と言いたいところですが、先に偶然手に入れた本があるのでそれをまず読みます(*^o^*)/~