その男を誘拐し、殺したのは、誰? ファイロ、拳銃を手に必死の捕り物劇に出る!
◇誘拐殺人事件◇ -The Kidnap Murder Case-
S・S・ヴァン・ダイン 井上勇 訳
旧家の道楽息子が誘拐され、現場には五万ドルの身代金を要求する紙片が残されていた。現場を検証したファイロ・ヴァンスは、一言呟いた、「彼はもう死んでいるかもしれない」と……。夫のあとを追って行方不明となる夫人。奇妙な毛筆の印が付いた脅迫状。偽りに満ちた証拠の中から真実を嗅ぎ分け、自ら死地に飛び込んでいくファイロ・ヴァンス。巻末に著者唯一の自伝を付した。
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スコッチテリアの展覧会の予定はマーカムの来訪でおじゃんになった。
カスパー・ケンティングという男が誘拐され、身代金を要求する手紙が届いたのだ。
誘拐を下劣な犯罪と見るファイロは気乗りしないが、現場に行ってみることに。
果たして現場は身の回りの物がなくなっているという自作自演の痕跡が見え隠れする。
しかしファイロは「彼はもう死んでいるかもしれない」と呟く……
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ヴァン・ダインの時間も終盤へ。「誘拐殺人事件」です(・∀・)
今回は誘拐殺人という、現代にも通じる闇の犯罪がテーマです。
しかしなんだろ…………
てんでファイロらしくないね?
拳銃持って乱闘とかいいよ! そういうのはマーカムとかヒースらに任せればいい!
ファイロは椅子で「ふふん」と踏ん反り返ってくれ。
作品が最後になるにつれ、どんどんファイロらしくなくなるなぁ。
というかこのままだとファイロの末路は拳銃で打たれるか突き落とされるか、刺されるかのどれかのような気が←
しかも悲愴感ただよわせた割にはやらかすし(苦笑)待っていたカーリーに労いの言葉をかけたいです(^▽^;)
ただ「自作自演か? 否か?」というテーマは面白かったです。それと同じくらい宝石盗難の謎も凝っていて欲しかったですが。
「誘拐殺人事件」でした(・∀・)/
次回もファイロで珠玉の短編集です(*^o^*)/~