休暇の〆は山火事と殺人!?
シャム双子絡む殺人の謎を解け!
◇シャム双子の秘密◇ -The Siamese Twin Mystery-
エラリー・クイーン 越前敏弥・北田絵里子 訳
カナダでの休暇からもどる途中、山火事に遭遇したクイーン父子。身動きが取れなくなったふたりが見付けたのは、薄気味悪い雰囲気が漂う屋敷だった。初めは使用人に追い払われたものの、主人であるゼイヴィア博士の好意で泊まらせてもらうことに。しかし翌朝、ゼイヴィア博士の射殺体が発見される。右手の指には半分にちぎれたトランプが挟まっていた。エラリーがダイイング・メッセージに挑む〈国名シリーズ〉第7弾!
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約4ヶ月ぶりのエラリー! お久しぶり(?)!
今回の表紙は見返り紳士エラリー。さらに小道具トランプが登場。小道具が登場したのって「ローマ帽子の秘密」以来?
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さて、本書。
エラリー、いきなりピンチ。
道に迷った上に山火事に遭遇、さらにやっとの思いで休息にありついた、色々な人間たちが集まる屋敷で殺人事件に遭遇!
……そもそも道に迷ったことが運の尽きとも言えますが(爆)、麓では山火事で大変なことになっており、捜査官は来れず、クイーン父子は2人で捜査を開始する。
ーーーという、異色作!
これって完全なる
「事件巻き込まれ型」ですよね。
いつぞやでも挙げた。
それともう一つ、
読者への挑戦が、ない。
エラリー・クイーンなら、というか国名シリーズであるなら、必ずあるはずの! 読者への挑戦が、ない!
ここでもう異色です。
この理由はエラリーが完全に巻き込まれた人間だから? ←んなわきゃない。
そして、
エラリー、落ち着け。
あまり話すと物語の核心に触れてしまうのでそれしか言えませんが、
エラリーも人間、なんだなと思いました(・∀・)
警視が大きく見えるよ。それとママも。
それでも山火事という脅威に晒されながらも、犯人探しを辞めず、かつこのままでは確実に死という終わりにたどり着いてしまう運命に抗う姿は、心を打ちます。
昨今のいろいろな出来事に言えますが、最後まで生きることを諦めない人間は強い。
「シャム双子の秘密」でした(・∀・)/
次回はお久しぶりのピーター卿でテーマは題名の通り、「不自然な死」(*^o^*)/~!