森絵都へのジャンプ・ステップ・ホップ
パラソルの下で
屋久島ジュウソウ
永遠の出口
森絵都
森絵都の評判を聞き付け、「パラソルの下で」「屋久島ジュウソウ」「永遠の出口」を読んでみました。
「パラソルの下で」は非常に楽しめました。
厳格な父の元で育った3兄妹。あまりの厳しさに兄と姉は家を飛び出し、ゆるいけれども自由を謳歌するする日々。妹は父の影響を受け、お洒落が上着の胸のワンポイントのみという変わった形で育っていきます。そして父の突然の死の後、母が父の不倫を知ってしまうのです。無気力になる母。怒る妹。そして「なぜあの厳格な父が」という謎を解くため、いつもは意見のあわない3人が行動をともにし、父を知るため、出生の地、佐渡島へ向かうのです。
主人公の姉の、未来よりも今の方をたのしみたいなぁと、定職もつかずにふわふわしている様子や、長男なのに見事なまでに頼りのない兄、今まで父の意向に合わせてきた妹の日々の様子と不倫発覚後の妹の怒り、など普通の人の普通の様子が肩を張らずに書かれていて楽しめました。また、柔らかな筆致の中に出てくる鮮やかな風景描写がなかなか気持良くて、久々にリラックスして本が読めたような気がします。ラストも面白く盛り上がりました。
「屋久島ジュウソウ」は森絵都とイラストレータ、編集者3人が屋久島を縦走したという旅日記。
山登りなんてこんな機会じゃなきゃ誰もしないという面子での屋久島縦走はどうなるのか心配していたら、なんと終日晴天に恵まれ、無事最後まで歩きとおしていました。作家らしく無闇に感動もせずに、縄文杉を「枯れているように見えた」というあたりはさすがです。「雨が降っていた方がきっと屋久島らしかったに違いない」といってましたが、晴れても困るあたりが屋久島のやっかいなところ。個人的には「パラソルの下で」の風景描写を期待していたのですが、その部分はちょっと期待外れでした。イラストや写真の入り方など可愛いく作ってあるのですが、その辺りもちょっと私のストライクゾーンから外れていました。他の旅エッセイも同時収録。
「永遠の出口」は、女の子の小学生低学年から高校卒業まで回想録。
森絵都流の柔らかに本質をつかむタッチで、小学校での担任の先生との対決や中学校でのぐれる瞬間、そして無気力な高校生活などをすべて恋愛とからめて書いています。各章のタイトルが丸ゴシックでなんだか居心地わるいな、と思っていたら、著者略歴に「『永遠の出口』は、児童文学の枠を超えて綴られた初めての作品」とのこと。そうか。女の子向けの作品なのですね。確かに自分が女子中学生の時こんな本を読めたら心動かせられるだろうな、と思いましたがその反面今の私にはものたりなくもあります。
というわけで、森絵都はこれ以上は遡らずに新作に期待したいと思います。
屋久島ジュウソウ
永遠の出口
森絵都
- 森 絵都
- いつかパラソルの下で
- 森 絵都
- 屋久島ジュウソウ
- 森 絵都
- 永遠の出口
森絵都の評判を聞き付け、「パラソルの下で」「屋久島ジュウソウ」「永遠の出口」を読んでみました。
「パラソルの下で」は非常に楽しめました。
厳格な父の元で育った3兄妹。あまりの厳しさに兄と姉は家を飛び出し、ゆるいけれども自由を謳歌するする日々。妹は父の影響を受け、お洒落が上着の胸のワンポイントのみという変わった形で育っていきます。そして父の突然の死の後、母が父の不倫を知ってしまうのです。無気力になる母。怒る妹。そして「なぜあの厳格な父が」という謎を解くため、いつもは意見のあわない3人が行動をともにし、父を知るため、出生の地、佐渡島へ向かうのです。
主人公の姉の、未来よりも今の方をたのしみたいなぁと、定職もつかずにふわふわしている様子や、長男なのに見事なまでに頼りのない兄、今まで父の意向に合わせてきた妹の日々の様子と不倫発覚後の妹の怒り、など普通の人の普通の様子が肩を張らずに書かれていて楽しめました。また、柔らかな筆致の中に出てくる鮮やかな風景描写がなかなか気持良くて、久々にリラックスして本が読めたような気がします。ラストも面白く盛り上がりました。
「屋久島ジュウソウ」は森絵都とイラストレータ、編集者3人が屋久島を縦走したという旅日記。
山登りなんてこんな機会じゃなきゃ誰もしないという面子での屋久島縦走はどうなるのか心配していたら、なんと終日晴天に恵まれ、無事最後まで歩きとおしていました。作家らしく無闇に感動もせずに、縄文杉を「枯れているように見えた」というあたりはさすがです。「雨が降っていた方がきっと屋久島らしかったに違いない」といってましたが、晴れても困るあたりが屋久島のやっかいなところ。個人的には「パラソルの下で」の風景描写を期待していたのですが、その部分はちょっと期待外れでした。イラストや写真の入り方など可愛いく作ってあるのですが、その辺りもちょっと私のストライクゾーンから外れていました。他の旅エッセイも同時収録。
「永遠の出口」は、女の子の小学生低学年から高校卒業まで回想録。
森絵都流の柔らかに本質をつかむタッチで、小学校での担任の先生との対決や中学校でのぐれる瞬間、そして無気力な高校生活などをすべて恋愛とからめて書いています。各章のタイトルが丸ゴシックでなんだか居心地わるいな、と思っていたら、著者略歴に「『永遠の出口』は、児童文学の枠を超えて綴られた初めての作品」とのこと。そうか。女の子向けの作品なのですね。確かに自分が女子中学生の時こんな本を読めたら心動かせられるだろうな、と思いましたがその反面今の私にはものたりなくもあります。
というわけで、森絵都はこれ以上は遡らずに新作に期待したいと思います。