シリーズものは作家のために
- 金城 一紀
- SPEED
今回は女の子が主人公。
尊敬する家庭教師が大学で謎の自殺。
家庭教師の友人に会いにいき、「私、なんで自殺したかしっているんです」といった帰り道、暴漢に襲われます。そこに偶然助けに入ったのがゾンビーズ、ということでいつもの調子で、小気味良く話が進んでいきます。
1作目『レヴォリューションNo.3 』は、駄目駄目3流高校生がいかにして有名女子高の学園祭に突入するかという青春物語で、その中で「殺しても死なない奴」ということでゾンビーズを名乗ります。
2作目『フライ、ダディ、フライ 』は娘が高校生に襲われ、その高校生に正々堂々と復讐を遂げる中年のおっさんをサポートする「ダディ,フライ,ダディ」。
そして3作目という訳ですが、この本だけ読んでも楽しめるようになっていますし、要所要所で前作を読んでいる人はニヤリとさせられる場面も盛り込まれています。
南方は作戦立案と渉外、朴は武闘教育、絶世の美男子アギーも登場しますし、山下にはいつもの用にわけもなく災難が降り注ぎます。
しかし、これだけのキャラのたった物語の金脈を彫り掘り当てたのに、金城一紀は、随分と簡単なミステリーにしあげてしまいました。ゾンビーズシリーズは、抑制の効いたかっこつけかたやそこはかとなくにおう文学の香りなど全体的なトーン、個性的な登場人物などとても好きなのですが、この話ではちょっと、という人も多いのではないでしょうか。
3作めといえば基礎固めに大作を持ってきて完全シリーズ化して、その他に作者が書きたいものをかけるような体制を整えた方がよかったのでは、と考えてしまいます。
次作を期待、しかし要注意、というリストにいれようかと思います。
- 金城 一紀
- レヴォリューションNo.3
- 金城 一紀
- フライ、ダディ、フライ
- 金城 一紀
- レヴォリューション No.3
- 金城 一紀
- フライ,ダディ,フライ