W杯泥縄本
まだサッカーW杯泥縄本が続いています。
94年、97年のW杯前のインタビューなどを掲載。
今、サッカーライターで一番有名な金子達仁の、出世作とも言える川口のチーム批判のインタビューやオフト監督や加茂監督批判がでています。今見ると稚拙のような気もしますが当時、サッカーバブルに浮かれていたときこれだけのことが書けたのはさすが。
スペインに武者修行にいったのがやっぱりよかったのでしょうか。
アトランタオリンピックの記事も、セルジオ越後が強引に呼び寄せた結果書けたことなど、ライター側にもドラマがあることを実感。
自分の記事へのコメントも、スポーツライター同士(×青島健太、×海老沢泰久)も、ちょっと自意識過剰ですが、なかなか興味深いです。
- 小松 成美
- 青の肖像
W杯日本大会前の2002年4月までに書かれたインタビュー集。
川口能活 中村俊輔 森岡隆三 柳沢敦 中田英寿
柳沢はこのころも「FWとしてのベストチョイス」をいっています。
ようはゴール前でパスもするよ、ということです。
いいたいことはよく分かるのですが、シュートの正確なFWがもう一人いればいいのですが、いないと点は入らないですよね。チーム内では評判がいいようですが、決定力不足の解にはならないので、困ってしまいます。
でも最近は自分のシュートも巧くなったので、彼の理想形も説得力がでてきたのではないでしょうか。
中田は「理解されないヒーロー」として書かれています。
これがちょっと優等生すぎますね。
中田のクールさを「若くて優秀だがシャイでコミュニケーションをとりづらい人」と理解してあげず、こうやって祭り上げると、変にソフティケイトされてしまう危険があります。
スポーツ紙の文脈で「自分勝手な」という決め付けも問題ありますし、かといってこういうなんでもよしとするのもどうかと思います。
もう少し掘り下げられないかな。
この記事もそんな感じです。
http://wc2006.yahoo.co.jp/voice/nonfic/komatsu/at00009209.html
森岡。
元気にしているようで安心しました。http://www.r-morioka.com/index2.html
本のなかでは会社とか起こして大人な感じでした。
2002年のW杯観戦レポートです。
この本を読んで感じたことは3つ。
1、村上龍は職人
ミーハ-で、おもいつくがまま本を書いている印象が最近はありました(F1、テニス、ゴルフ・・・)。
それでも、その一つ一つに正直に感じて、それを上手く伝える技はさすが。
テーマはなんにせよ、狙った形で文章を書ける技は、さえています。
最近ひどい小説があったりするので、ちょっと離れていましたが、あらためて感心しました。
2、そんなに中田がすきか
もう、中田がでていない試合には興味がもてない、と言い切っています。
個人的に友達のようなので、仕方がないといえばそうですが、一歩間違えればたんなる追っかけではないですか。
でも、その本気の熱さは面白かったです。トルコに負けたときは完全にやる気を無くしていましたね。
やっぱりW杯はこう見ないと面白くありません。
沢木耕太郎が、無理やり仕事をやっているように思えましたね。
3、やっぱりW杯は面白い
うーん思い出しましたよ日本対トルコ。
今思えば、サントスがトップ下なんか、やっぱり人材いなかったのかな、と考え込んでしまいます。
個人的には、今回のメンバーが、この10-20年で最強メンバーになってしまうのでは、と危惧しています。
なので、期待して今回の予想は3位としておきます(クロアチアやトルコだってなれたんだから)。
と、色々妄想が始まってしまいました。
- 村上 龍, 中田 英寿
- 文体とパスの精度
で、中田との対談とメールについて。
村上龍は、サッカーの話以外では「日本はだめだ」と終始いっています。
日本の和のメンタリティが合わず海外の生活も長い中田も、話があっているようです。
才能がある人は、日本では暮らしにくそうなのはなんとなく分かります。
しかしペルージャは第2の故郷といっているあたり、やっぱり中田もそう思ったりするんだ、と安心しますね。
既得権益層に対抗するために、中田はサッカーを、村上龍は小説の腕を磨いた、というはなしは、ひさしぶりに村上龍節といった感じで、納得させられてしまいました。
しかし、中田の最近の言動をみていると、彼なりにオトナになったのだな、と思ってしまいます。
クールにしていても得られるものは限られてくるので、もっと多くの責任をもって貪欲に熱くいって欲しいものです。期待しています。
しかし、このタイトル。
文体もパスも正確に伝えなければならない、ということらしいですが、ちょっとあからさまかなと思います。
- 佐藤 俊, ガンバ大阪
- 主将戦記 宮本恒靖
2002年W杯ベルギー戦から2005年ガンバ大阪優勝までの、試合を語っています。
ほとんど試合の話ばかりですが、周りの人にもしっかりと聞いているのが、幅がでてなかなか面白かったです。
これを読んで驚くのが、本当にジーコが戦術の細かい部分は選手に任せていること。
6月のバーレーン戦前の選手のみのミーティングは有名な話で、書いてあること読むと感動的ではありますが、そんなことも話し合ってなかったの?というのも正直なところです。
DFとMFの連携もそうですが、それについてどう思っているかも選手同士の話し合いはそれまでなかったようです。
うーん、プロとしてのプライドもあるかと思いますが、集団作業の常識としてそのあたりはきっちりクリアしてほしいですね。そういう意味で、中田は異分子で、それ以外は積極的に意見をいう選手はいなく、宮本が代弁してまとめ上げていく役割を担っているようで、宮本がいないといったいどうなっていたのだろうと思ってしまいます。
中田のことを書かれている本をよく読んだので、中田のことはなんとなく分かったのですが、日本代表のなかでどう見られているか分かってなかなか面白い部分もありました。海外で普通の自己主張が、キャラとかぶりうっとうしがられているようでした。宮本はその橋渡しに心配っているようです。
これはきっと現在進行中の話でもありますね。
比較的新しい本でもあり、今回の泥縄本のなかでは、一番面白かったです。
さてさて、そろそろどうやってこのW杯月間を乗り切るか決めなくてはいけませんね。

