私と同じ黒い目のひと
私と同じ黒い目の人-チベット旅の絵本-
渡辺一枝
チベットの写真・エッセイ集です。
チベットの豊かだけれども厳しい自然と、かわらしく、たくましく、けなげな子供の写真が胸を打ちます。
渡辺一枝は小さなころから「チベット」とあだ名されるぐらいチベットが好きで、何度も通ううちにますますチベットに魅了されていきます。
ときどき人と会っていて、「あ、この人はこのグループと合わないな」とか、「あ、私はこの人たちとはそんなにうまくやっていけなそう」、と思うときはありませんか。
本人が気付いていない場合もありますが、やっぱり同じような価値観を持っている人の集まりの方が、人はより自分を出せるしリラックスできるのだと思います。
渡辺一枝は、日本よりもチベットの方がよくあっているように思えますし、本人もそう思っているのでしょう。
でもやっぱり、チベット人になりきれない何かがあって、日本とチベットを行き来しているように思えます。
何らかの違和感を感じながら、ずっと自分と自分の周りのグループの関係に気付かない人もいると思います。そう考えると、たとえチベットでも自分の居場所を1つ見つけられたのは、幸せだったのかなと思います。
チベットの日常をつらつらと書きながら、日本のことや自分のことを考え、はつらつとした旅行記である「チベットを馬で行く」よりも、ずっと内省的な内容になっていて、妙な悲しさと透明感のある子供の笑顔の写真とそれを撮影する渡辺一枝のことを考えていると、そんなことを考えてしまいました。
