「塩狩峠」三浦綾子 | できれば本に埋もれて眠りたい

「塩狩峠」三浦綾子

塩狩峠三浦綾子
ある少年が反キリスト教的環境から、だんだんとキリスト教に心頭していく様子を描いています。

とてもキリスト教が色濃く反映されていた作品でした。
主人公の出生から成人までの葛藤が書かれている部分は、古い時代ということもあり、時代の違いを面白がりながら読めたのですが、最後の方になると、心理描写も少し典型的になり、宗教色が強く感じられ、最後には、主人公の「らしさ」が感じられなくなり、よくあるような「聖人(人間らしさが感じられない)」になってしまったのが残念でした。

うーん。
書いてあることが道徳以上のには思えなかったので、主人公はえらい人だな、とは思ったり、恩を仇で返されている辺りは、「小人扱いがたし」で、あるあるという感じです。

きっと微妙に感じる違和感は、主人公には途中まで共感できるのですが、途中からキリスト教ってすごいでしょ、という部分が強くなりすぎて、小説の筋を作家の言いたいことの齟齬が出てくるところでしょうか。

うーん。
残念ながら、私にとって泣ける作品にはなりませんでした。