山本周五郎と沢木耕太郎の接点
たしか「さぶ」だったのではなかったでしょうか。沢木耕太郎が「深夜特急」の中で、ぼろぼろになった本を読んで、たまらなく日本を感じたのは。
その話にひかれて、読んだところ、最初から
「小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。」
と泣けてしまいます。表紙とあわせて。
いい表紙です。
もう、この1行だけで、「さぶ」を読んだ気になってしまいます。
「雪国」の有名な1行目もよいけれど、この1行もかなりいい第1行です。
そのこともあったので「樅ノ木は残った」を手にとると、これはまた、権謀渦巻く政治話の中に、誰にも理解されない「忠」の話になっています。
誰にも理解されない「忠」とは何なのかと、考えてしまいます。
あまり意識はしていませんでしたが、実は日本らしい作家なのかもしれません。
「栄華物語」も読みました。
これもなかなかいい。田沼意次も悪くない。
もう少し他も読んでみます。