アル中の老人になっていてもいいと思えること
チャールズ・ブコウスキーの名短編集「町で一番の美女」を読んだことがありますか。ブコウスキーについて端的にいってしまうと、アル中の郵便局員。
それも、この世の中、アルコールでも飲まないとやっていけない、とわかってしまった郵便局員とでもいうのでしょうか。
リリカルな感性を手放さないまま、アメリカで低所得でやっていくには、酒しかなかった、そんな人です。
「町で一番の美女」は、恵まれない美しい少女と自分と折り合いのつかないアル中(もしくは無職者)の話です。
最底辺の酒場でお互いにお互いの人間らしい感性に気づくのですが、生活の波に飲み込まれてしまう。
そんな悲しい話です。
ブコウスキーのいいところは、自分を飾らないところです。アル中をやめるとか生活を向上させるとかは考えず、いかに自分を納得させる小説をかけるか、という根っこをしっかりとおさえているのです。
なので、エッセイなどは常に楽しそうで、やっぱり「惑わず」といった感じで自分を分かっているのはいいな、とつくづく思います。