薄闇の荒俣宏 | できれば本に埋もれて眠りたい

薄闇の荒俣宏

帝都大戦」は読んでいませんが、エッセイでも博覧強記ぶりを発揮しています。
知識人99人の死に方」などは、彼にとっては企画モノの一つぐらいの位置付けだとおもいますが、面白いのです。
当初は、まさに死ぬ瞬間を淡々と記していく予定だったそうですが、やはり、人となりや死にいたる経緯などが千差万別で、興味深く、そちらのほうに筆が引きづられていました。手塚治虫などは、死というよりその生がすさまじい。

文明異動説」では、荒俣流の雑学を世界規模でごった煮にして、新しい味を出そうとしています。

しかし、これだけの知識を持ちながら大論をとなえず、悪く言えば重箱の隅をつついたものを集めるような生き方は何なんだろうと思っていました。

そんなことを思っているとき、今は昔のインパクで、糸井重里との対談のなかで、
「なんかだいたいその頃のぼくは、「三歳にして心朽ちたり」という中国の熟語が、とても好きで・・・。どうせ世の中なんて大したことはないのだから、せめてくだらないことに拘泥して生きていこう、という一種のあきらめの境地があったんですね。」という発言を読み、あーなるほど、それでこの人はこんな雑学に拘泥しているんだ、と謎が解けました。

一概にはいえませんが、そこまで言い切ってしまうのは、なんだかいいですね。