赤瀬川原平の皮膚感覚 | できれば本に埋もれて眠りたい

赤瀬川原平の皮膚感覚

新解さんのなぞ」「日本美術応援団」「悩ましき買い物
たとえば「新解さんのなぞ」。だれがいったい辞書のおかしな記述、たとえば恋愛について「・・・常にはかなえられないので、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。」などと書いてあるのに気づくでしょうか。大体、恋愛なんて調べないし。
でもこの人は、自分の目で見ているので、つい、そんなところに気が付いてします。

美術鑑賞も、人それぞれ、といってしまえばそれまでだが、足が地に付いた感覚で絵の見方を教えてもらえると、よく分かってじつに面白い。

美術鑑賞でなくとも「悩ましき買い物」では、買い物に惑う状況を読むと、心の襞までが感じ取れて、丁寧に自分の感じたことを把握している人なんだなと思える。

たまらなく冗長な本もあるが、人が「そうそう」と知ったかぶりで見落とす・感じ落とすことを面白く自分の感覚でとらえること。
人の意見に流されてきた身には、小さなことでも自分の感覚を大事にする姿勢は興味深く、なんだか心が開かれる気持ちです。
それがたとえ鞄を買うのに惑う心理描写であっても。