田口ランディが救うもの
「コンセント」「アンテナ」「モザイク」を1週間で一気に読みました。幻冬舎の煽情的な表紙に惑わされて、「コンセント」から読み始め、残り2冊も続いて一気に読みました。
この3冊の共通点は優しくないこと。とても自己中心的なこと。
たとえば「コンセント」。主人公のライターは、興味がないこと・興味がない人・興味がない思いを、無視をする。その存在を否定もせずに、無視する。
その傲慢さに、正直な自分勝手さが感じられ、それがどこまで突き進むのか緊張感が感じられます。
しかし、この3冊のテーマは「生きる力をなくした若者の生きる道」探しです。
よしもとばななのオカルト、村上龍の性と暴力、それに心理学を織り込んだような話ですが、そこに弱者である「無気力な若者」を登場させることで、作者の問題意識の深さが感じられます。
それとも自分のどこかにある「無気力」を恐れているのでしょうか。
勝手に、田口ランディはすごく自分にしか興味のない人で、でもそれをつきつめて優しくなっている人なのかな、と思っています。
取り上げている話題が今日的なもので(ケータイ、メール、心理学)、眼を引きやすいもの(オカルト、性、暴力)なのですが底流を流れている、何かに対する「恐れ」のようなもの。それをどう扱っていくか。
古い本なので、これから先に刊行している本を読んでいきたいと思います。