「ありのままで」は
心震わすパワーワードだが
時に、逃げのための言い訳になる
ラブリラン
天沢アキ著
２巻完結
主人公、サヤカ３０歳
彼氏いない歴＝年齢
大学のゼミの友人である鷺沢くんに
１０年来の片想いをしている
鷺沢くんとは「映画」という共通言語があり、世界観を共有できる特別な「友達」
常にキレイな彼女がいるモテ男の鷺沢くんだけど、いつか、自分の気持ちに気づいてくれるんじゃ。。。という甘ーいシンデレラシンドロームにつかっている
サヤカはオシャレもヘアメイクも興味がなく無頓着
大好きな鷺沢くんとは趣味でつながってるし、とても気が合う
地味で変わらない自分を
「サヤカらしいよ」と肯定してくれる
その特別感のある絶対安全圏にとどまりつづけ、ただ想いつづけてる
「ありのままの自分」を好きになってくれることを夢見て１０年
そんな不毛なサヤカだけど
ゼミ仲間の定例飲み会で、彼女と別れたばかりの鷺沢くんに映画祭デートに誘われる奇跡がやってくる
チャンスかもしれない
(かもしれないとか言うてる場合か)
そう胸を膨らませて眠りについたデート前夜。。。
あれ？
目が覚めたら知らない部屋
目の前には同僚の町田くん
なんと！
寝て覚めたら一か月後の世界だった！
椅子の上に立っていて、落ちて頭を打ち付けたサヤカは、ここ一か月ほどの記憶を失くす記憶障害になっていた
失った一か月の間に、
鷺沢くんとのデートは終わり
同僚の町田くんと付き合いだし
一週間ほど前から町田くんの家に上がり込んで同棲していた
しかも数日前からついに二人の関係はダメになっていて、別れる直前だった
。。。と説明をされて
パニックで頭が追いつかないサヤカ
出来事が盛り沢山すぎる
淡々と生きてきた喪女の一か月ではない
鷺沢くんとのデートは？
なんで好きでも無い町田くんと付き合うことに？
なんで別れることに？？
なんでこんなことに？？？
失くした記憶を取り戻し
前に進むために
忘れた一か月の自分と
いままでの自分に向き合う
鷺沢くんは同い年の人当たりがよく優しいカワイイ系イケメン
一方、町田くんは年下で口が悪くキツいけど社内でもモテる塩系イケメン
鷺沢くん一筋１０年の自分が
町田くんと付き合い
あげく、ベタぼれでウザくなってきていた。。。恋愛に溺れすぎ。。。という町田くんの言葉が信じられない
この人はダセーし
色気ねーし
女すててっし
不毛な片想いをしているような怖い女だよ
けど
だめな自分 受け止めて
変わろうと努力してたんだよ
そういう
がんばってる姿を
おれは。。。
かわいいって思ったから付き合ったんだ
ひと月の間のアナタは
今よりは素直でかわいかったよ
一か月の間の知らない自分は
眼鏡をコンタクトに変え
かわいい服や靴、カバンなどを買い
ファッションもヘアメイクも雑誌などで勉強して変わる努力をして
なんと、恋愛をした
記憶障害でもとの冴えないサヤカに戻ったけど
いいかげんリングに上がったらどうですかね
町田くんの言葉に奮い立ち
デートの記憶が無いまま、鷺沢くんに告白する。。。！
仕事は頑張ってきた分、認められているけど、その見かけから
浪人生みたい、女捨ててるよね
と陰で言われている
鷺沢くんに好かれる努力、
女として見られる努力をしてこなかった
ほかの女の子と同じリングにあがって
勝負することを避けていた
負けることが怖かったから
傷つくことが怖かったから
そのままでいるのが楽だったから
逃げながら甘く夢見てたダサい自分
しかし
変わろう、と覚悟を決めたら
人は変わるのだ
すこしずつ記憶を取り戻しながら
自分と向き合っていくサヤカを応援したくなる
恋愛強者の町田くんだけど
彼には彼なりの課題がある。。。
鷺沢くんもサヤカの行動にこころを動かされ。。。
恋愛弱者のサヤカ、どうする？！どうなる？！
さっぱりとしたテイストで
ノリとツッコミのテンポがよく
読後感が好きで何度も読んじゃう好きな漫画
例に漏れず、
このラブリランもすでに2018年にドラマ化されている
リアルタイムで、ドラマを観たけど設定が変えられ過ぎてて私にとっての原作の魅力が消えてて。。。
いちファンとして辛いものだった
（原作知らなかったら、面白いドラマだったかもしれない）
鷺沢くんは同い年の爽やかかわいい系イケメンなのに、年上の幼なじみのお兄ちゃん、と言う設定に変えられ、大谷亮平さんが演じていて
大谷さんはカッコ良くて素敵なんだけど
もう、鷺沢くんやないやん！！！
全然別人やん！
男性フェロモンガンガンやん！！
いや、カッコいいけども！！！
ちゃうやん！
鷺沢くんは、もっとふわっとしてるやん！！！
町田くん役の古川雄輝さんもかっこいいけど、クールで冷たい部分がクローズアップされてて
これまた別人。。。
ちゃうやん！
町田くん、もっとノリいいやん！！
毒舌やけど冷たくないやん！！！
一話だけしか観れなかったなぁ
二話目は途中で挫折。。。
このコロナ禍でドラマ・ギルティの枠で再放送されてたから
再チャレンジしてみたけど
やっぱりあかんかった
設定変更つらすぎる。。。
サヤカ役の中村アンさんは素敵なので置いといて
鷺沢くん、キャスティング考えてみました！！！
が、なかなか30歳くらいのふわっとかわいいイケメン俳優、難しい！！！
絞りだしたのが、瀬戸康史くん！
ふわっと甘く爽やかな感じ、いける！
で、町田くんは菅田将暉くんかなぁ
auの鬼ちゃんテイストで行って欲しいなぁ
恥ずかしながら、
サヤカほどではないが
私もリングに上がれなかった片想いの相手がいる
だからこの作品が胸に刺さるのか
２０歳ごろから７年間なので
まあ。。。ほんとアホだな、と思う
貴重な時間を。。。(笑)
サヤカと違うのは
すっごく好きなのに
別の人と付き合ったり
ガンガンにコンパで出会いを求めたりしていた
私の気持ちはバレバレだったけど
彼は明らかに脈が無かった
仲間内だったので
どうこうするのもややこしく
しかもその彼の友人に告白して玉砕した過去もあり(笑)
(玉砕直後に出会った)
ふられるのがわかってて
言うことができなかった
他に恋愛しても結局、
なんか違う
と思って上手くいかない
逃げてたなあ
思いっきり怖くて逃げてた
ただその人が幸せならいいやって
高尚な感じにすり替えてた
いや、本心からだったけど
これ以上傷つくのが嫌だった
いつも他の誰かも一緒だったけど
ある夜、みんながバラけたあと
車に二人きりだったことがある
あの時あったことは。。。
事実なのか妄想が入ってるのか
もう正直わからない
記憶が曖昧すぎて
ハッキリしてるのは
彼の挙式と二次会パーティに参加した時に、今まで見たことのない彼の照れ顔を見て
この不毛な恋を終わらせよう、と静かに誓った
そのあと
旦那さんに出逢えるまで
いろいろあったけど
それはまた別のお話。。。
「ありのままで」は自己否定を止める一歩
そのままの自分を受け止め許す
ダメな自分を受け入れられたら
あとは怖くても動くのみ
今ならわかる
告白して振られても
可能性がゼロになる訳じゃないと
そこからはじまることもある
恋する貴方！ファイト