モノをつくる話って

やっぱり良い。。。
 
 
 
今、新刊が待ち遠しい作品のひとつ
 
 
 
青の花 器の森
小玉ユキ著
 

 
 
長崎・波佐見が舞台
 
 
 
波佐見は400年もの歴史がある陶磁器の町
 
 
 
主人公は波佐見焼きの窯で絵付けの仕事をしている馬場青子、31歳
 
 
 
青子は家族代々陶磁器の仕事をしてきていてそんな親たちの姿に誇りをもっている
 
 
 
絵を描くことが大好きだった青子は当然のように、絵付師になった
 
 
 
青子が働く窯元に、勉強したいとやってきた真鍋龍生、27歳
 
めちゃイケメンだけど無愛想で窯の人たちとも馴染もうとしない
 
海外で作陶していたが、ある時から自分の器を作れなくなった訳ありの龍生
 
 
 
龍生は無地の器の美しさにこだわっていて、絵付けされた器に興味ない、器に絵は要らない、とバッサリ
 
 
 
青子は絵付けを否定されたことで、自分を否定されたように感じ、なにかと龍生と対立する
 
 
 
あるとき、龍生のつくった器にふれた青子は、その美しさに心をうばわれ

一瞬のうちに目の前の器にするすると絵が浮かび上がる!!!
 
 

次の日、仕事場にあった龍生の器によく似た皿に、あの降りてきたインスピレーションを形にしようとするが

ピクリとも筆が動かず、絵付けできない
 
龍生のつくるカタチだからこそ
青子は反応したのだ
 
 
 
人に対しては感じ悪い龍生だけど
 
青子は
 
ひとりで器を触わりながらやわらかい雰囲気で微笑んでる龍生を見てしまったり
 
ろくろをまわしてカタチをつくっていく龍生の手の動きに魅了されてしまったり
 
なんだか気になってしまう。。。
 
 
 
イベントで売る小さな作品が、青子の案で一輪挿しに決まり龍生がろくろをひくことになる
 
 
 
ざっくりした形を伝えてできあがった一輪挿しは、青子のイメージそのままの美しいフォルム
 
 
 
どんどん絵柄がうかぶ青子だけど
龍生は白無地しか考えられない、と
またもや対立して。。。
 
青子の絵付けと
龍生の無地
コンペで決めることに
 
 
 
自分の作ったものに描かれた青子の絵付けに、龍生は心を動かされて。。。
 


モノづくりを通して
少しずつ近づいていく青子と龍生 


 
陶芸って、龍生のように作家として
自分の作品を生み出すってイメージがあるけど
 
 
 
青子が生きる波佐見は量産が主
分業化されていて
作業それぞれに特化したプロがいる
町全体で器をつくっている感じ
毎日つかう日常の器
 
 
 
青子はそんな波佐見の人間として
イチ職人として名もなき作品をつくることに誇りを持っている
 
 
 
作家として自分の作品をつくることに
重きをおいている龍生は
そんな青子にいらだってしまったりする
 
 
 
どちらの気持ちもわかるなあ
 
 
 
ふたりでモノをつくることになって
お互いの感性が共鳴して
作品になっていく過程にすごく引き込まれる
 
 
 
「つくる」っていいなぁ
 
 
 
青子の明るさの裏に隠された悲しい傷も
 
作れなくなった龍生の悲しみも
 
お互いの存在で癒されていく
 
 
 
芸術と産業
モノづくりと
作り手同士の感性のふれあい
そんなテーマを感じるすてきな作品
 
 
 
 
 
そんななか
恋愛的な側面はといいますと


 
龍生くんはイケメンだけど



青子に対して。。。
 
 
 
やることなす事
 
 
 
ちょーーーーカワイイんですけどッ!
 

 
中学生かっ!



でもって
 
 
 
ちょーーーーじれったいんですの!
 
 
 
ふたりとも!
 
 
 
T-BOLANしてるやんっ!
 
じれったい オマエの愛が〜
うざったい程 痛いよ
めいっぱい 抱きしめたい
本気の好き 胸にひびくよ〜
 
ってか!!!
 
 
 
もうっ
むずむずしちゃうわ
 
 
 
コミュ力恋愛力、低いイケメン
逆にいい
 
チャラチャラしてなくていい
 
大人なのに初々しいじれったい恋愛も
いいもんですね
 
青子もねー、ほんとむずむずさせますわよ
 
 

あーーー
キスまで遠いなあ 

(この焦らされ感!)



あとね、窯のみんなの
見守り感もすっごくいいんですよ
 
 
 
読んでると
職場のみなさんの雰囲気とか
すごく良くて、とっても楽しくなるんですよね
 
 
 
 
 
 
わたしも、ケーキ屋ではありましたが
モノをつくる職人としての職場で6年いました
 
青子ちゃんの窯元には負けるけど
けっこうアットホームなお店で
 
キツイことや厳しいことetc.
山ほどありましたが
優しい人も多かったです
 
 
 
そういや、
ひとつ上の男の先輩(歳はひとつ下)は
わたしの好みの顔面で(笑)
 
一瞬ときめいたものの
 
 
 
毎日仕事するなか
すぐに恋愛感情は消えましたね!!!
 
合わないというか、ね!
ええ、性格の悪さにね!
毎日毎日いろいろ濃いのでね!
 
 
 
在職してた6年のうち
はじめの頃は女性率が高かったのに
後半はわたし以外男性のみになってしまって
 
 
 
文字だけだとハーレム状態ですけど
 
無いわぁ。。。 


 
これっぽっちも職場でトキメクことは無かったですね。。。
 
(遠い目)

(お互い様かあ) 
 
 

極限の状態を曝け出して働いてるので
ああいう職場で、恋愛に発展するってよっぽどだろうなぁと、思います。。。
 
 
 
ひとつ上の先輩は
他の女の先輩と付き合いだしたので
 
二人とも、すっげえな!
と思った覚えがあります
 
 
 
 
 
 
作者の小玉先生は長崎出身で
つかう食器は有田か波佐見が当たり前だったそうで
 
 
 
いい器での暮らしは
当たり前のことではないんだと
東京に出てきてはじめて知ったとか
 
 
 
あらためて波佐見焼を調べたら
百貨店やおしゃれな雑貨屋さんでみかける食器がたくさん!
 
 

 

白山陶器さんのものって知らなかったけど

この美しい醤油さしは知ってる!!!

 

 

 

写真お借りしました
 

 

 

 これこれ!

 

 

 

 これもー

 

 

 すっごく好きー

 

 

あとHASAMIさんのは

ちょっと古き良きアメリカ?のようなカラフルさと雰囲気がまた素敵

 

 

 

 

 

 

これも雑貨屋さんでよく見る!

 

 

 

うちの母

めちゃくちゃ食器狂いで

 

器にこだわり過ぎるくらい

こだわってた姿を見て育ちました

 

これは〇〇のやつで〜〜円もするええやつやねんで〜

というのを聞きながら

お金ないのになんでそんな高いの買うの。。。と呆れてました

 

汁碗も趣がちがうものを数種

魚の皿

肉の皿

酢の物の器

煮物の器

パン用の皿

ケーキ皿

アイスクリーム用

ヨーグルト用

カトラトリーもちゃんと用途別のものを。。。

 

狭い家の

狭いキッチンに溢れる和洋食器の数々

 

 

 

ここはどこぞの良家かっ

とツッコミたくなる高級食器があふれる団地の一家庭

 

 

 

シュールですよ

ハハハ (゚∀゚)

 

 

 

そんな母の在り方の反動でわたしは

ドイツ式の多目的な器で少なく暮らすことに憧れました

 

 

 

結婚の時に、母がこっそりわたし用に用意していた食器があることがわかり、複雑な想いで新居に入れました

 

(お金ないのにね)

 

(だいぶ減らして持っていきました)

 

 

 

大人になるまで

お嬢気質で

「良いもの」が大好きで

貧乏なのにそういうところにお金をかける母をバカにしてました

 

 

 

でも、いまは

うちのお母さん、やるなぁ、と尊敬しています

 



条件や環境にかかわらず

好きなものを大事に貫きとおす

 

 

 

そのスピリッツと「良いもの」を見る目を受け継ぐことができて感謝です

 

 

 

いろいろ脱線しましたが

ほんといい作品なので

ぜひ読んでみてくださいドキドキ

 

 

 

長崎に親友が住んでます

だいぶ疎遠になってしまったけど

いつか波佐見に行って

陶磁器買い物ツアーしたいな~

 

 

 

あーーー5巻楽しみドキドキ