1988年下町唐座 | 想いが伝わる本を書くブログ

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武蔵野デジタル出版社長の牛田肇がモーモーするブログです♪

1988年の大学時代に、
唐十郎率いる唐座の演劇
「さすらいのジェニー」を
観に行きました。

豊橋から東京まで、
青春18キップか深夜バスだったか、
演劇研究会仲間とワイワイしながら、
劇場に行き、
黒と赤の劇場の建物に驚き、
唐十郎、緑魔子、麿赤児、石橋蓮司
の芝居に驚き、
とにかく

「スケールに圧倒された」

インパクトは30年以上経った
今でも鮮明に残っています。

安藤忠雄氏の本を読んでいたら、
偶然、その劇場の設計が、
安藤氏の設計であること知った。

当時は、芝居小屋の建築者まで
関心がなかったのだが、
まさに、詠み人知らずの芝居小屋が、
安藤氏だったとは、やはりというか、
すごい人なのだとあらためて感じる。

1988年はバブル真っただ中で、
小屋と言ってもその建設費は
2億5千万円だったそうだ。

それをセゾングループの堤氏が
助け舟を出した。

あのようなイベントは
もうないかもしれない。

安藤氏も

「シルエットは
 真っ赤なテントによく映え、

 唐が率いる役者たちは、
 寒中に水に飛び込み、

 裸の身体から湯気を立てながら
 走り回っていた」

と懐述する。

私自身も、まさか観劇した半年後に、
大学の先輩が同じ演目を
上演することを決め、

真冬に水槽のある舞台をつくり、

自分が寒水に自ら飛び込み、


濡れた衣装で走り回る。

ことになるとは
夢にも思っていなかった。

これも、

「好奇心が人を巡り合わせ、
 夢が人を繋いでいく」

ことなのだろう。

これからも
そんな瞬間があるといいな。

(参考:安藤忠雄「仕事をつくる 私の履歴書」、日本経済新聞出版社)