この『ハチクロ』ひとことでいうと芸大生(美大生)と一部社会人をまきこんだラブコメ。ただそれだけのことなのですが・・・まぁそれだけで済まないからこの人気なんですね
もともと、芸術的天才をもつ「はぐ」(コロボックル系美少女)を焦点にして、それをめぐるライバル2人(竹本&森田)の恋愛を描くはずだったはずが、「はぐ」のキャラはちっとも立ってこない。(編集部がやった人気投票では主人公なのに3位!!)
かわりに、脇役だった山田(美脚美少女)と、真山(メガネ男子)の話が、はずみすぎるほどにはずんでしまって。(ま、森田さんの謎や竹本くんの暴走など7巻くらいからヒートアップもしますが)
山田は真山が好き、でも真山はリカが好き。リカはすでに亡くなっているダンナさんを慕いつづけている。まぁよくあるエンドレスループ系トライアングル!?
しかも、展開はさらにわきに逸れて、真山の会社の同僚が山田を好きになってしまい、山田を気にかけなかった真山が心配し出すというハナシに。
こういうのは、変に最初の主人公をどうするかとかは考えずに、展開がすすむがままにしておいたほうがイキがいいんだろうなあ。スジだけみると、暴走につぐ暴走。
さらにはギャグと絵もツボをおさえてます。ひたすら。
たとえば、真山の同僚、野宮(女たらし)が、仕事中にケータイにかかってきた「アタシと仕事とどっちが大事なのよ!」という定番な詰問に「仕事です」と「ドキッパリ」切り捨て、さらにめんどくさくなってそのケータイを海に捨てる。このテンポは抱腹絶倒。
山田が無気味な料理をつくったのを真山に食べさせるシーンでも「ジャカジャン☆さて問題です「このカレーにはあるものが隠し味として入っています。さてそ れはなんでしょう キャハ」などという無邪気な出題に、むせかえるチョコレートのにおいを前に「か、隠れてねー」とココロの中でつっこむコマも、見事な暴 走っぶりだ。(コトバで説明してもいまいちピンとこないけど)
こう書いてくると、ただのギャグマンガみたいにみえる『ハチミツとクローバー』…なぜここまで人気があるのか?
『ハチクロ』は切なさという「萌え」要素を巧みに盛り込んだ結晶だとわたしなんかは思ったりするのです。
「片思いをしている人は、死んだ人を思いつづけ、それはいつまでも美しい」という読者を引き込む切ない恋愛の究極は真山とリカの関係に巧く取り込まれ、この『ハチクロ』の中に大きな奥行きを与えているのです。
「片思いをしている人は、死んだ人を思いつづけ、それはいつまでも美しい」・・・これは『めぞん一刻』のテーマであり、事故の傷痕が痛々しいリカの体は完全に『エヴァ』の綾波レイを原型にしていると容易に想像できます。まさに「萌え」要素の集積!結晶!
作者、羽海野チカは自他共に認めるオタク。だからこそすぐれた「萌え要素つかい」たりえたのではないでしょうか
読めば分かるように、それほど難しい情景描写や心象風景の描写をしているわけではなく、しかし、作者はくめどもつきぬ「萌え」のリソースの海からいくらで も「萌え」要素を汲みだしてこれる、しかもおそらくは無意識に。作者、羽海野チカはオタクであるがゆえに『ハチクロ』を生み出したと言えるのではないで しょうか?
個人的にはメガネをかけたデザイナー・美和子さんが萌えツボ。って、どうでもいいですね
- 羽海野 チカ
- ハチミツとクローバー (1)
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- ハチミツとクローバー (2)
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