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本の虫太郎のブログ

本を読み、映画を見ての晴耕雨読の毎日。楽しいですよ。



















     『 八月のマルクス』


    新野 剛志 ( しんの たけし )


    面白さ ★★☆☆☆ (ほし二つ)

    もう一息、紙一重のクラス


    作者/新野 剛志について


    1965年、東京生まれ。立教大学社会学部卒。

     1989年、旅行会社入社。1995年、「自分にイヤ気がさし」

     会社にも実家にも無断で失踪。

     その2日後、江戸川乱歩賞受賞を決意する。

     終夜営業のファミリーレストランを転々としながら

     応募原稿を書き続け、寝るのはもっぱら始発電車か

     カプセルホテルという放浪生活を3年半続けた後、

     本作で第45回江戸川乱歩賞を受賞。

     3年半ぶりに実家に帰った。


[ 主な作品 ]


「もう君を探さない」

「クラムジー・カンパニー」

「罰」

「月の見える窓」

「Fly」

「どしゃ降りでダンス」

「愛ならどうだ!」

「あぽやん」   他


【 この本の内容 】


江戸川乱歩賞受賞というので、読みました。

この作家の本は、初めてです。

ホームレスから受賞作家になったのに興味持ったからです。


主人公は、引退したコメディアン笠原 雄二。

セロリジャムの名で一世を風靡した漫才師。


元の相方が、5年ぶりに訪ねてくることから

ハードボイルドの物語が始まる。


売れっ子の元相方の失踪。

彼は、なぜ失踪したのか?


笠原が芸能界を引退することになったレイプ事件の真相は?


元の所属プロダクション「ヤベプロ」にまつわるスキャンダルの影


謎は謎を呼び、一気に結末へと進む。(その間に、いろいろありまして)


ハードボイルドの主人公に、引退した漫才師を持ってきたのは、

面白い。

ただ、主人公が、あまり漫才師らしくない。


欲を言えば、

犯人側の動機が、弱い。

もう少し、話を大きくして欲しかった。

刑事をもっと話に絡ませていけば、いいのに。

等、読み手としての希望は、いろいろありますが。


文章は読みやすく、ストーリーや構成は

本当に良くできているので、面白く読めました。


傷つき悩み、転んでは立ち上がり、ぼろぼろになりながらも

前へ進もうとする男。

そんな男をハードボイルドの主人公にしたいという

著者の思いは、充分に伝わってくる小説です。


八月のマルクス (講談社文庫)/新野 剛志
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辻 真先 (つじ まさき)

『あじあ号、吼えろ!』

面白さ ★★★☆☆ (ホシ三つ)

歴史好き・鉄道好きな人、読んでくださいクラス


作者/辻 真先について


1932年生まれ 名古屋市出身

日本のアニメ脚本家、推理冒険作家、マンガ原作者、旅行評論家、エッセイイスト。

日本のアニメ界の草分けでもある。

「サザエさん」「鉄腕アトム」「ルパン三世」「どろろ」など多数の脚本を執筆。

多彩な才能を持ち、執筆の早さでは有名。


[ 主な作品 ]


 「迷犬ルパン シリーズ」

 「トラベルミステリー シリーズ」

 「スーパーとポテト シリーズ」

 「ツアコン シリーズ」 他多数


【この本の内容】


今回は、シリーズから外れた作品を読みました。


第二次世界大戦のソ連参戦の日に、満州を舞台に巻き起こる冒険活劇。

満鉄の誇る夢の超特急SL「あじあ号」が、時速120キロで満州の大平原を

疾駆します。

待ち構えるは、中国ゲリラ・ソ連軍の面々。

作者が、映画「駅馬車」をモチーフにしただけあって、手に汗握る

スリルの数々。


主人公は、東邦映画の2枚目アクションスター 神住 恭(こうずみ きょう)。

満州での映画撮影で、ハルピンを訪れるが、ソ連参戦の報に、

急遽「アジア号」で、ハルピンを脱出する。

乗り合わせた乗客は、「男装の麗人 川島芳子」など、

一癖もふた癖もある人たち。

しかも、積荷は、731部隊(生体実験で悪名高い 石井部隊)に関係するもの。

さらに、車中には敵のスパイもいる様子。

待ち伏せる中国ゲリラ。空から襲い来るソ連の戦闘機。


ミステリーあり、アクションありでとても面白い。

鉄道好きの方には、「あじあ号」の描写や、当時の満鉄の列車運行状況も

分かり、興味惹かれるのでは。


歴史的には、「731部隊」「帝銀事件」などもからめ、憲兵大尉「甘粕正彦」の

名前も出るなど、何でもありの大盤振る舞い。


一人また一人と命を落としていく乗客。

最後まで、生き残るのは誰だ。

という、まさに「駅馬車」のスタイル。


いや、本当に、面白いですよ。

一読あれ。


あじあ号、吼えろ! (徳間文庫)/辻 真先
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budasei

今野 敏(こんの びん)

『武打星』(ぶだせい)

面白さ ★★★☆☆ (ホシ三つ) 

時間があれば、読んでみればクラス


作者/今野 敏 について


1955年、北海道三笠市生まれ。

上智大学在学中の78年に「怪物が町にやってくる」で

問題小説新人賞を受賞。

卒業後、レコード会社ディレクターを経て、執筆活動に。

自ら空手道「今野塾」を主催し、空手・棒術を指導。

主な著書に

『蓬莱』 『触発』 『慎治』 『ビート』 『山嵐』 『曙光の町』

『安積警部補シリーズ』 など多数


《 受賞歴 》

1978年 、『怪物が街にやってくる』で第4回問題小説新人賞 を受賞。

2006年 、『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞 を受賞。

2008年 、『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞 を受賞。

2008年 、『果断 隠蔽捜査2』で第61回日本推理作家協会賞 (長編および連作短編集部門)を受賞。  


【 この本の内容 】


大学の空手部で活躍した 長岡 誠 が、ブルースリーにあこがれて、

単身香港に渡り、アクションスターを目指す青春物語。


武打星(ぶだせい)とは、中国語で香港のカンフースターのこと。

ベテラン作家なので、文体も読みやすく、ストーリーも面白い。

当時のブルースリーや香港映画にはまった人には、

心ときめかされるだろう。 ‥‥ 私もそう。


作者自身が、空手をやっているので、格闘描写は、リアルで迫力あり。

最後がハッピーエンドなので、私の趣味にぴったり。


今野さんの本は、初めて読んだのだが、結構面白かったので、

この作家の他の本も読んでみようと思う。


今日のお話は、以上です。


武打星 (アジア・ノワール)/今野 敏
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