『黄土の奔流』/生島治郎 | 本の虫太郎のブログ

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『黄土の奔流』 (こうどのほんりゅう)

生島 治郎 (いくしま じろう)


面白さ ★★★★★(ホシ五つ)

冒険小説の金字塔、最高傑作


作者/生島 治郎について


1933年、上海生まれ。

早稲田大学英文科在学中に、同人誌に所属。

その後、早川書房に入社。

1963年、執筆活動のため、同社を退社。

1964年、『傷痕の街』で作家デビュー。

1967年、『追いつめる』で、第57回直木賞受賞。

日本のハードボイルドの基礎を築いた作家。


再婚した韓国籍のソープ嬢との体験を書いた

自伝的小説『片翼だけの天使』で、話題となる。


私立探偵、フィリップ・マーロウのセリフ

「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格は無い。」

早川書房「プレイバック」で、この台詞を名翻訳したのが、生島治郎です。


(作品として)

追いつめるシリーズ

黄土シリーズ

志田司郎シリーズ

凶悪シリーズ(TVドラマ天知茂主演「非情のライセンス」の原作)

賭けシリーズ

片翼シリーズ

その他多数


【この本の内容】


1923年の上海租界。大戦後の各国の利権が渦巻く魔都が舞台。

主人公、紅真吾(くれない しんご)は、一攫千金を夢見て、中国に渡って

15年がたつ。

経営する貿易公司は、日本商社の進出により、倒産してしまう。

無一文になった真吾は、飯桶(紅の車夫)を連れて最後の晩餐に出かける。


そこで助けた、沢井和彦(河村商会上海支店長)から、

一攫千金の儲け話を持ちかけられる。

黄金よりも値打ちのある上質の豚の毛を重慶に取りに行く仕事。

揚子江を船で行く旅だが、そこには命を落とす危険が待ち構えている。


真吾は、大陸浪人ら一癖も二癖もある9人の仲間を引きつれ、

冒険の旅に船出する。

待ち構えるは、敵・敵・敵。

敵の頭目は、美女の林朱芳(秘密結社の頭目)。

土匪の頭目の孫徳祥。


さて、紅真吾は、目的を果たして大金を手に入れることが出来るのか?

手に汗握るスリルと冒険の連続。


この本は、私の一番大好きな小説です。

何度目かの再読ですが、

本当に面白い、血わき肉おどる冒険小説です。

作者は、上海生まれだけに、中国の描写は、

リアリティがあり、表現に愛情があります。


登場人物としては、様々なキャラクターが出てきます。

これは、読んでのお楽しみですが、

相棒役の葉村宗明は、その中でも大好きなキャラです。

中国人と日本人のハーフで、ニヒルな武術の達人。

顔に火傷の痕のある美青年です。

年齢は、26歳。

真吾が35歳ですから、相棒としてはちょうど良い年頃ですか。


二人は、べたべたした味方の関係ではなく、

時には敵になりかねない緊張感があります。

二人のセリフのやり取りがハードボイルドですね。


この葉村宗明は、この黄土シリーズに当然登場してきます。

このコンビの活躍が、黄土シリーズの魅力になっているのでしょう。

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これぞハードボイルド。

これぞ冒険小説。

と言うようなすばらしい小説ですので、

ぜひとも読んでもらいたい本です。