『剣客同心』 / 鳥羽 亮 | 本の虫太郎のブログ

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『剣客同心』 (けんきゃくどうしん)

鳥羽 亮 (とば りょう)


面白さ ★★★☆☆ (ホシ三つ)

父の敵討ち的剣豪捕り物帳の面白さ


作者/鳥羽 亮について


1946年、埼玉県出身。

大学卒業後、小学校の教師となる。

40代でワープロを買い、練習用に小説を書き始める。

1990年、『剣の道殺人事件』で、第36回江戸川乱歩賞を受賞。

推理作家としてデビューする。


中学・高校と剣道に打ち込み、大学2年で、剣道3段取得。

このため、科学的・合理的なアプローチをした剣豪小説も執筆。


直心影流 毬谷直次郎

深川群狼伝

剣客春秋

など、シリーズ化しているもの多数。


【この本の内容】


文化年間、徳川家斉の時代。

直心影流尾坂道場の俊英、長月隼人(17歳)が主人公。


日本橋の廻船問屋「黒崎屋」の娘・お菊と手代の佐太郎

の二人の死体が、大川で発見される。

奉行所は、相対死として処理をするが、

ただの心中ではなく、裏には大きな企みがある様子。


父の長月藤之介は、八丁堀の隠密廻り同心だが、

二人の死に疑問を持ち、その事件をひそかに調べていた。

その矢先、長月藤之介は、惨殺される。


父の後を継いだ隼人は、見習同心として、父の敵を討つため

お菊と佐太郎の相対死の事件を調べ始める。

それに対して、奉行所内の定廻り同心・藤田や与力の高桑が

事件を調べさせないよう、露骨な嫌がらせをしてくる。

それは何故なのか?


事件には高津藩のお家騒動も絡んでいるらしい。

さらに幕閣の要人や米相場も関係し、闇は深まるばかり。

さて、隼人は、事件の真相を暴くことが出来るのか?

また、見事、父の敵を討つことが出来るのか?


この本は、剣客同心、鬼隼人シリーズの1冊目です。

鬼隼人が誕生する発端編です。


登場人物は、まず、父の敵として剣客・室戸がいます。

源真流の使い手で、霞籠手という秘剣を使います。

隼人が、この霞籠手を破ることが出来るかどうかというのが

クライマックスになります。


隼人の味方として、団野道場の男谷精一郎や中西道場の千葉周作が

登場し、剣の工夫の手助けをしてくれます。

剣豪ファンには、うれしいサービスです。


南町の上司である与力の倉橋や、父の代からの岡引の八吉

道場の先輩である野上が、隼人を助けます。


隼人が、17歳で同心になり、事件に巻き込まれ、世の中の悪に

もまれながら成長していく様が描かれています。

この小説は、事件の謎を追う面白さと、剣豪小説の面白さがあります。

一度読んで二度美味しいこの小説をぜひお読みください。



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