30. ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪(今野晴貴) | 300日で100冊の本を読んでみる

300日で100冊の本を読んでみる

2014年12月5日~2015年9月30日までの300日の間に、100冊の本を読むことに挑戦しています!

「それは、育てるためのノルマですか?
それとも、辞めさせるためのノルマですか?」


ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)/文藝春秋


ブラック企業問題は、ただ個人的な被害の問題ではなく、立派な「社会問題」です。
日本の社会や経済を破壊する恐れのある、非常に重大な問題なのです。

そのブラック企業のパターンとして、以下の8つが挙げられます。

①月収の誇張
②「正社員」という偽装
③入社後も続く就活
④戦略的パワハラ
⑤残業代を払わない
⑥異常な36協定と長時間労働
⑦辞めさせない
⑧職場崩壊


これらは一見、個人的な問題のようにも見えますが、実は大きな社会問題です。

ブラック企業は、将来ある日本の若者をうつ病にさせ、少子化を招き、さらに労働モチベーションの低下や医療費の増大、社会サービスの劣悪化を招きます。
これは日本の社会保障や税制を根幹から揺るがす問題であると同時に、消費者の安全を脅かし、社会の技術水準にも影響を与えます。

でも、ブラック企業は急激に成長しています。

なぜか。

それは、彼らが日本の有効な資源を消尽し、自分たちの私的な利益に転換しているからです。
特に、若者のうつ病の増加と少子化はこれに当てはまります。

若者が将来を設計できず、次の世代の再生産ができなくなれば、どうなるか。

ただでさえ高齢化社会であるのに、ますます少ない若者で、ますます多くの高齢者を養うことになります。
そうすると、ますます子供を育てる余裕がなくなってしまいます。
当然、国家財政を圧迫し、将来的な財政悪化の要因ともなります。

それでも、ブラック企業にとっては大きな問題ではないのです。

いくら日本の若者がうつ病になろうが、高齢化が進展して日本の市場が縮小しようが、いざとなれば日本で稼いだ資産を持って、海外市場に逃避すればよいからです。

私たち国民一人ひとりが個人的に、ブラック企業に対して「戦略的思考」を持たなければならないのと同じように、本当は日本社会全体が、こうした傾向に「戦略的思考」を持って臨まなければいけません。
日本を食いつぶすブラック企業に対処できなければ、日本社会は滅びてしまいます。


ブラック企業をなくす社会的戦略としては、以下の2点が有効です。

①労働組合やNPOへと相談し、加入し、新しいつながりを作ること
②労働法教育を確立し、普及させること


ブラック企業の規制が実現すれば、日本経済の効率性は高まり、社会も発展していきます。

ブラック企業は日本の病だということが分かる一冊。



すべての企業がブラック企業ではないが、
すべての日本企業はブラック企業になり得る。