生き方の鑑 辞世のことば (講談社プラスアルファ文庫)
先行きの不透明感がある昨今の社会経済情勢を反映してか、
書店を訪れると、人生訓(哲学・宗教))に関する沢山の書籍が目に映る。
本書もそのひとつで、
1992年出版の書籍(『時世のことば 生き方の結晶』)の文庫判。
この本の編者は、「路上観察学会」で著名な
マルチタレントの赤瀬川原平さん。
題名の「時世のことば」とは、
「人が死ぬ間際に発した言葉」のこと。
本書は、大和・飛鳥時代から昭和60年代まで、
著名な日本人275名の「時世のことば」とその解説文から成る。
総勢275名の死に際の言葉を理解することは、
「人の死に方」、裏返せば「人の生き方」を考えさせれる。
どれもこれも印象深いものばかりだが、
個人的にインパクトを受けたものを下に少しあげたい。
浄土真宗開祖の親鸞の時世のことば「某、閉眼せば、賀茂川に入れて魚に与うべし。」
時宗開祖の一遍の時世のことば「わが門弟子におきては、葬式の儀礼をととのうべからず。野に捨て獣にほどこすべし。」
歌舞伎作者の河竹黙阿弥の時世のことば「きょうはいよいよいくぜ。午後まではもつめえ。」
裁判官の山口良忠の時世のことば「自分はソクラテスならねど食糧統制法の下、喜んで餓死するつもりだ。」
CFディレクターの杉山登志の時世のことば「ハッピーでないのに、ハッピーな世界などえがけません。」
会社員の河口博次の時世のことば「飛行機はまわりながら急速に降下中だ。本当に今迄は幸せな人生だったと感謝している。」
実業家の土光敏夫の時世のことば「もし、死後の世界が極楽と地獄に分かれているのであれば、わしはためらわず地獄に行く。」
先人たちの時世のことばを学べ、
自身の今後の生き方を考えることができる良書。

手にしやすい文庫本でもあり、多くの人におすすめしたい。
