「おばちゃんはなんの虫がすき?」

保育園児の姪に訊かれて、まさかの虫縛りかぁ、って笑った。

ここで、「おばちゃんが好きなのはねぇ、ほんのむし。だよ」とか言えば気が利いてただろか。

そんな事言ってもわかんないか。

 

 

 

子どもの頃は紅茶の缶にいっぱいダンゴムシを集めて、それを空き地で蹴り倒してワラワラさせるのが趣味だった。

子ども部屋に大量のバッタを放して大目玉を食らった事もある。

暗くなるまで外で遊ぶ、絵に描いたような昭和の子どもだった。

 

 

 

そんな私が、今はあんまり虫好きじゃない。

というか、虫苦手。

田舎に住んでるから、ちょうちょもトンボもカマキリもバッタも、蜘蛛でも蜂でもムカデでもなんでも居るけど、何回見ても慣れないね。

やっぱり気持ち悪い。

 

 

 

あんなに親しい存在だったのに、なんで嫌いになったのかな。

たぶんだけど、虫って何考えてるかわからないからかも。

今日は機嫌良さそうだなぁとか、今日はなんか寂しげ?とか、犬なんかだったらわかるけど、虫はちょっとわからない。

 

 

 

ゴキブリが「ごめーん、箪笥の裏に隠れてるから雨が止むまで部屋に居させてー」とか言ってくれたらいいのに。

そしたら私だって鬼じゃないんだし、「しょうがないなー、雨止んだらちゃんと出てってよねー」って言うよ。

私は虫が嫌いというよりは、コミュニケーションができる生き物が好きなんだな、たぶん。

 

 

 

 

 

 

このマンガ大当たりだった、嬉しい。

虫についてのマニアックな知識が書いてあるだけじゃなくて、お話としても素敵なとこが気に入った。

大体どっちかでしょ。

学びがある系の本だとストーリーが大味で、ストーリーが濃厚だとなかなかそこに知識は詰められない。

虫についての豆知識が入るのに、登場人物に感情移入して読むと目がうるうるしてしまうような繊細さがあって、一粒で二度美味しい。

 

 

 

そしてこれね、百合ものとして読んでもいい感じです。

出てくる女の子たちがみんな魅力的。

図らずも自分の部屋に百合もののマンガを置く事になってしまったな。

同性愛者が百合本を部屋に置いてるって、なんか平凡っていうか、捻りがなくてつまんないから、あんまりそういうの買わないの。

 

 

 

十代の時に読んだような恋愛を軸にしたお話って、大人になるとあんまり楽しめなくなるような気がする。

そういう気持ちがわからなくなったわけじゃないけど、他にする事ないのかよって思ってしまうから。

このマンガに出てくる女の子はみんな自分の生活を大事にしてて、百合はサブの要素だと思えるから楽しめるのかもなぁと自己分析してる。