サザエさんのカツオ君みたいな子ってどう思う?

私はいい子だと思う。

彼はもっと評価されてもいいと思うくらい。

 

 

 

だってどんな人とも物怖じせずに明るく話せて、心身共に健康そうで、クラスメイトのお父さんからぜひお婿に来てもらいたいとか言われてる。

そりゃちょっと学校の成績には難があるのかもしれないし、ちゃっかりしたところはあるけど。

こんなに親を安心させる要素をたくさん持ってる子、昔は知らないけど、今その辺に居るだろかね。

 

 

 

なのに波平さんはいつも「ばかもん!」って怒鳴ってるだけで、いいところを褒めてるような気がしない。

もっと勉強ができたらとか、真面目な子だったらとか、親の欲目はあるのかもしれないけど、望み通りになったら磯野家は今より明るい家庭じゃなくなるかもね。

 

 

 

私はわりと真面目な親のもとで育った。

両親だけじゃなくて、じいちゃんばあちゃんの代からずっと真面目。

だから私も真面目に生きてくんだーって思ってたけど、なんか上手くいかなかった。

努力はしてみたけど、結局親の期待になんか少しも応えられなかった、めんぼくない。

 

 

 

残念だなぁと思いながら大人になったけど、時々はこんな私を面白がってくれる人も居る。

好きになってくれる人が居る。

そんな未来が待ってるなんて、子どもの頃は想像もしてなかったよ。

 

 

 

きっと私だけじゃなくて、この世のあらゆるものはそういう感じなんだろうなと思う。

あるアーティストを熱狂的に好きな人が居たら、それと同じくらいアンチも居るって他人事なら思えるでしょ。

アーティストの事だったらそう思えるのに、自分にその評価の目が向いたら、「こんな私、だれにも好きになってもらえないだろうな」とか根拠もなく思っちゃいがちよね。

 

 

 

この本は、長い時を経て評価が変わった本の事を面白く解説してくれる本です。

ある時代では大絶賛されたのに、時代が下ると嘘っぱちだとか、とんでもない本だとかって言われてるのもある。

逆に書かれた当時は駄作だと思われてたのに今は評価が高い本もある。

 

 

 

一人の人間が生きてられる時間なんて、大きな時間の流れの中で見れば点みたいなもので。

今誰かに痛烈に批判されてるとかいう事がもしあったとしても、未来にはあなたの考えの方が主流になってるかもしれない。

そう考えたら、批判も称賛も全然あてにならない。

 

 

 

翻って私も、ただ自分の好みに合わないだけのものを、よく吟味もせずに悪いものみたいに扱ってる事ないかなって。

どんな考えも一度は「ほんとかな?」って思うための目は持ってたいなと思う。

自分と全然違う誰かの立場や都合に目を向けられない時は誰にでもあるけど、そういう時は思いたい。

「私は今までその事を考えなくても生きていけたんだな。考えずに生きていけるくらい恵まれてたんだな」って。

難しいけど、心は柔らかく、視野は広く生きたいもんです。