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『オレたち花のバブル組』
池井田 潤
文芸春秋2008.6


銀行に就職することを『入行』と言います。銀行に入る、読んで字のごとしです。一般企業は『入社』ですよね。

こんなふうに銀行というところには、普通の企業とはちょっと違った言葉、ちょっと違った文化が存在します。というのも、私も筆者と同じく元銀行員だったので話がとってもよくわかるのです。。。

本作品はドラマ『半沢直樹』の原作(というかその後…)です。ドラマは、5億円を無担保で融資した途端、その融資先が倒産する、というストーリーです。一方本作品は、優良そうに見えて実は巨額損失を抱える老舗ホテルの担当を半沢が任される、という話です。担当を任されたからどうなんだ、というと、実は近々金融庁が入るらしい…というのです。

融資とは元本を回収できて、かつ利息をとってはじめて銀行側に利益が発生します。でももしその元本の回収が不可能なら…それは損失ですよね?
銀行は『もしかしたら融資金を返済してもらえないかもしれない、ちょっとアブナイ企業』に対する貸出金のうちの一定の金額を、もしもその企業が倒産し、融資金を回収できなかったときのために、その損失を埋めるための『引当金』として準備しなくてはなりません。
そこで銀行側は『この企業はいい企業だよ、倒産の心配はないから引当金は積まないよ』と、一方、監督官庁である金融庁は『いやいやその評価方法は間違っている、この企業は倒産の危険が高いから引当金をもっと積みなさい』と真っ向から両者の意見はぶつかります。
つまり、表には出ていない巨額損失を抱える老舗ホテル(=取引は長く、貸金はたくさん)が『正常先』とみなされるか、『ちょっとアブナイ先』とみなされるかによって、銀行の引当金額は大きく変わり、銀行の評価を大きく左右するということなのです。そして、その金融庁との対決を担うのが…半沢直樹!!そして今回も銀行内で何やら黒い影が…。

金融庁やら引当金やら何だか難しそう…とお思いかもしれませんが、逐一池井田さんが丁寧に噛み砕いた解説を付してくださっています。そして、細かいことがあんまりわからなくても、半沢の歯にものきせぬ物言いは痛快!ぜひ御一読あれ。
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