好奇心、答えを知らない疑問を取り上げて答えを追求していくことほど面白いものはない
時代を超えて成功した会社の調査結果
著名で派手なリーダーが社外から乗り込んできたことは、偉大な企業への躍進との相関性がマイナスになっている。
してはならない事と、止めるべきことを重視している
技術革新は飛躍を加速することはできるが、飛躍をもたらすことはできない
M&Aは飛躍をもたらす点でほとんど何の役割もはたしていなかった
その概念の枠組み
・第五水準のリーダーシップ:万事に控えめでもの静かで内気で恥ずかしがり屋ですらある、リンカーンやソクラテスに似ている
・最初に人を選び、その後に目標を選ぶ:適切な人がそれぞれにふさわしい席に座ってからどこへ向かうか決めている
・厳しい現実を直視する(だが勝利への核心を失わない)
・針鼠の概念(3つの円の中の単純さ);能力の罠から脱却しなければならない。何年か男十年かにわたって中核事業で世界一になれないのであれば、中核事業が飛躍の基礎になることは絶対あり得ない。
・規律の文化:規律ある行動がとられていれば、過剰な管理は不要になる
・促進剤としての技術:技術そのものが主要な原因になることはない
良好が偉大への敵になる
第五水準までの段階
同社の中核事業であるコート紙の製造販売では凡庸な企業にしかなれない。経済性は悪く、競争は激しくない。しかし競争がし烈な消費者向け紙製品市場に進出していけば、P&G等、世界有数の競争力を持った企業とぶつかる。ここで大胆な決断。工場すら売り払って売却代金をすべて消費者向け事業に振り向け、紙おむつのハギーズ、ティッシュのクリネックスなどのブランドに投資した。8つの製品ラインナップのうち6つでP&Gを打ち負かした。第五水準の指導者は、自尊心の対象を自分自身にではなく、偉大な企業を作るという大きな目標に向けている。
誰をバスに乗せるか
・飛躍を導いた指導者は、第一に何をすべきかではなく、誰を選ぶかから始めれば、環境の変化に適応しやすくなる。
・人事の決定に極端なまでの厳格さが必要
・得られる報酬の為に努力するのではなく、偉大だとは言えない状況では満足できないから努力する
・どういう人が適切な人材になるかを判断するにあたって、性格を重視している
・どういう人物なのかを知るために、これまでの人生でくだした決定の理由を質問する。その答えで基本的な価値観が分かる
・最高の人材は管理を必要としない
・自分が努力しても不適切な人たちに足を引っ張られると考えるようになれば、いずれは苛立ちが嵩じてくる
・飛躍を導いた指導者は、たくさんの人を試して、うまくいった人を残す安易な方法はとっていない
・最高の人材は最高の機会の追求に当て、最大の問題の解決にはあてない(問題解決しても無難になるだけで、偉大になるには機会を追求するしか道がない)
最後には必ず勝つ(厳しい現実を直視する)
・ダメな例、大幅な値引きで市場シェアを回復する戦略だが、問題の根源が顧客が値下げを望んでいるのではなく、別の店舗形態を望んている点に対応できなかったので、値下げにより店舗が一層さえないものになり、買い物客がさらに減り、粗利益率がさらに低下し、店舗はうす汚くなり、サービスはさらに低下した。
・飛躍した企業の半数以上が1位か2位になれないのなら撤退するという方針を、それが経営理論としてもてはやされるようになる前に何らかの形で確立している
・カリスマ的指導者は幹部がが意見を出せない場合がある。よってカリスマ的でない指導者のほうが、長期的な実績が良くなることがい多い
・適切な人たちがバスに乗るようにすれば、全員が偉大なものを築こうという意欲を持っている
・「全員立ち上がって黙とうをしてほしい」、何があったのかと思うと、「今のはP&Gへの黙とうだ」、全員が沸き立った
・ストックディールの逆説;どれほどの困難にぶつかっても最後には必ず勝つという確信を失ってはいけない、と同時にそれがどんなものであれ、自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなければならない
・飛躍に導いた指導者は大量の雑音を取り除いて最大の影響を与える少数の点に焦点を当てる。そうできるのかかなりの部分、ストックディールの逆説の両面を常に大切にしているから
・上司が真実に耳を傾ける社風を作る基本的な4つの方法
1.答えではなく質問によって指導する
2.対話と論争を行い、強制はしない
3.解剖を行い、非難はしない
4.入手した情報を無視できない情報にかえる「赤旗」の仕組みを作る
単純明快な戦略(針鼠の概念)
・偉大な足跡を残した人たちはかならず、素晴らしい見方だか単純化しすぎた、という批判を受けている。
・本質を見抜く力を持っているために複雑さの奥にある基本的なパターンを把握できるのだ。針鼠型の人たちは本質を見抜き、それ以外の点を無視する
針鼠の概念と三つの円
・自社が世界一になれる部分はどこか、この基準はコアコンピタンスがどこにあるかよりはるかに厳しい。その時点で従事していない事業かもしれない
・経済的原動力になるのは何か。財務実績に最大の影響を与える分母をひとつ選んで、X当たり利益という形で木補油を設定している
例えばウォルグリーンズは、一店舗当たり利益など業界で通常使われている指標を捨て、来客一人当たりの利益に焦点を合わせた。その為、半径1マイル以内に9店舗を設けるなど店舗の利便性を高めて行くと同時に、チェーン全体の収益性を高めていくことが出来た。一店舗当たり利益を重視すれば、店舗数を減らし、低コストで出店できる店に絞り込むことになり、これでは利便性という概念を破壊してしまう。
・針鼠の概念を確立すると、霧は晴れ、見通しもよくなり、何キロも先まではっきり見えるようになる。
人ではなくシステムを管理する(規律の文化)
・一年の目標を決めたとき、それをコンクリートに刻んでおく考えが必要
新技術に振り回されない(促進剤としての技術)
・技術面では戦闘を走っていたが、結局は勝利を収めて偉大な企業になることが出来なかった企業なら長い長いリストを作ることができる。技術そのものでは凡庸な企業を超優良企業に躍進させることはできないし、企業の没落を防ぐこともできない
劇的な転換はゆっくり進む(弾み車と悪循環)
ビジョナリー・カンパニーへの道
・どの企業も、成長を担う適切な人材を集められるよりも速いペースで売上高を増やし続けながら、偉大な企業になることはできない。
・基本的な価値観と目的を維持しながら、絶えず変化に適用している。