1.ビジネスチャンスを見極める

 一次データと2次データを組み合わせることによって、企業家が必要としている情報は得られる。一次データは潜在顧客へのインタビューや調査、二次データは情報から。

 

 ナイキ、当時の運動靴市場はマクロレベルでは停滞していた。たいていの人が、運動靴なんて1,2足あれば十分だ、と思ってい。しかしミクロレベルで見ると長距離ランナーはこの性能を歓迎した。このセグメントでの成功はやがてテニスやバスケなど、他のスポーツでの成功につながりナイキを世界一のブランドに仕立て上げた。顧客(長距離ランナー)がお金を払ってでも手に入れたいと思うような製品を提供するのだ。やがて彼らは他のニッチ市場にも狙いを絞り、同様に成功をもたらせた。

 デザイナーは優秀な選手と良好な関係を築いてから、その選手のニーズに合ったデザインの靴を作る。この戦略を運動靴市場の別のセグメントでも活かせば、種目ごとにニーズを満たす、性能の高い靴を開発できると考えたのだ。

 多くの活発な叙せいは特定のスポーツにのめり込むより、健康維持を重視、厳しいトレーニングに耐えられるほど丈夫であるとともに、街中をそのまま歩けるほどおしゃれでなくてはならない。ナイキのウェアの特徴である機能性を保ちながらファンション性も兼ね備えた

 

 企業家は時間や資金を理解していないことが多い、大きな違いをもたらすのが業界経験の有無である。たいていの業界では、ミクロレベルの調査で好結果を得ることのほうがはるかに重要。

 

 我々が恐れた居るのは失敗を見落としてしまうこと。

 

 経営チームは5Fでどのような関係・ネットワークを持っているか自問すべきである。

 

 致命的な欠陥、別の方法では修正できないような要素、アキレス腱が見つかった場合には、今のうちにそのチャンスをあきらめる

 

2.魚はくいつくか

 このセグメントのおおきさはどのくらいか?どれほどの速さで成長しているのか?

 このセグメントへ参入することは、かねてから狙ている他のセグメントの参入につながるのか?

 

 iモードシステムが日本でMコマースを実現できたのは、電話料金の請求書を盛り込んだから。請求書を大量に作成する作業には、それなりのコストがかかる。NTTドコモはこの作業を自ら請け負った。

 NTTドコモがiモードサービスを立ち上げたころ、日本の携帯電話市場は成熟していた。ユーザーは新しいサービスを求めていた。その先見性と顧客に対する理解が見事な成果を生んだ。iモードによってNTTドコモの国内顧客基盤は業界第二位のKDDIの2倍になった。

 

 ミラービール社は1975年にライトビールの販売を決めたことで業界に衝撃を与えた。ライトビール、アメリカのビール消費量1%を占めていたに過ぎない、ところが94年までの間に米国内国産の35%を占めるようになる。ミラーはセグメント・マーケティングと、飽和水準に達するほどの宣伝活動という2つの単純な原則によって、ターゲット市場に到達した。

 1970年代半ば、アメリカ中に蔓延した健康ブーム、健康ブームとベビーブーム世代という2つの要因の影響によってビール人口の規模は大きくなった。その主力は健康への関心を高めている顧客層へと変わりはじめた。ビールをよく飲むのは主に20代半ばの男性、このセグメントの規模の大きさと高い将来性(飲酒年齢に達していないベビーブーマー、2,000万人の男性、企業家は顧客を見抜く力によってこのようなニーズが白日のしたにさらされるのを待っているのだ)。しかし本当に男性がライトビールを飲むのだろうか

 このセグメントにアピールするために、ライトビールの大半の広告をスポーツに絞った。彼らはかつて健康体のアスリートだったのに、大人になってからはスポーツから遠ざかり、もっぱら観客として楽しんでいた。筋骨たくましい元スポーツ選手をテレビCMに起用、CMに登場した選手たちは最盛期を過ぎていた。その姿はターゲット市場の顧客を代表しているのだ。ライトビールは女々しい男の飲み物ではない、というメッセージをはっきりと伝えた。

 

投資家が知りたい事

 あなたが顧客の悩みを明確に特定できれば、投資家も興味を示すだろう

 あなたの提供するサービスをその値段で購入するという証拠を欲しがっている

 

3.市場の評価

市場委ついての重要な3つの質問

 - 今市場は大きいだろうか、競合他社が足を引っ張り合わずに自社のセグメントへサービスを提供できる規模だろうか

 - あなたの市場の短期成長率はどう予想されるか?逆の予想を示す情報がなければ、市場の最近の成長率から近い将来の状況を予測できるだろう

 - あなたの市場の長期成長率はどう予想されるか、これはマクロレベルの動向(経済、人口、技術、規制、自然)によって大きく影響を受ける  

 

 ホンダがバイクでインドで成長したのはパートナー企業のマネジメントが、インドの経済、政治、ビジネス風土や国民い精通していたこと

 

 ベンチャーキャピタルは大雑把に言えば5年で投資の10倍、投資に対する年間収益が60%、10ドル投資すれば毎年必ず6ドル戻ってくるような事業、方法は一つしかない。今日よりも明日の価値がはるかに高くなるように事業を速いスピードで成長させること。そして売却するかIPOすうrこと。ただしニッチ市場ではここまでの成長は起こりえない。したがって市場は大きくなくてはならない。ベンチャーキャピタルを使ってビジネスを立ち上げようとしているのであれば、マクロレベルの市場の魅力はかなり重要だ。

 投資家が好むポイントは、日ごとに価値が高まるような大企業を作るチャンス、大きな市場であればさまざまな起業に成功のチャンスがあるということ。

 

4.業界の評価

 まず、自分が競争する業界を定義しなければ評価できない。

 

 ベンチャーキャピタリストは魅力ある業界に投資するつまり市場規模から見て競争が激しくない産業。

 

 魅力的な市場を見つけた際には、その市場はあなたが競争で勝ち残れる業界であるかどうかを必ず確かめなければならない。

 

5.競争優位の維持

 ザンタックの特許が切れると、FDAからザンタック75の発売許可を得た。ザンタックよりも効き目が弱いこの薬は処方箋が無くても薬局で購入できる。効能の等しいジェネリック医薬品がもっと安く手に入るとしても、多くの患者は認知度の低いジェネリックより、強力で信頼のおけるザンタックブランドを選んだのだろう。

 

投資家が知りたい事

 投資に対して見返りを期待するには時間をかけて事業を育て、株式を公開するかあるは同業他社に売りさばくしかない。投資家はあなたが始める事業がもららすベネフィットが長期にわたって存続できるのかどうかを知りたがる。

 投資家はまた、金融市場の循環性を知っている。今は事業買収やIPOの価格た高い時期にあたるのだろうか。

 

 実際にはtっ巨の保護だけでは語れない場合が多い、新しくて優れた製品やサービスだけが生き残るわけではない。業界の首位を守るにはそれなりの組織プロセス、能力、資源を備えることが肝要だ。そうすれば持続可能な競争優位を獲得できる。

 

 小企業の経営者にこのようなスキルやロイヤリティがなければ、ブランドの強い大企業や経営効率の良い企業の参入で顧客がすぐに乗り換えてしまうことを思い知らされるだろう。

 

6.企業家としての夢の実現

 インド人はイギリス製の布を買う代わりに、自分たちで織物を作ることを推奨した。

 

投資家の知りたい事

 プロ投資家にはたいてい自分なりの使命がある。投資家の使命に合わせることも重要だ。自分が選んだ領域以外に資金を投じる人は数えるほどしかいない。

 

 あなたがいったんベンチャーキャピタルを受け入れれば、事業の売却に同意したのも同然だ。 自分たちが支える企業家が並々ならぬ努力とコミットメントによってわずかな勝算をものにできるかということ。

 投資家は自分たちがリスクを負うだけではなく、あなたも自己資本を危険にさらすのを見たがっている。あなたが手持ちの自己資金からどれだけを危険にさらす用意があるあ、覚悟を読み取れる。

 

7.CSFに対する実行力

 CFS(主要成功要因)の数は、往々にして片手で収まる程度だが、同じ業界内の企業同士での業績の違いに大きな影響を与えるおとが多い。

 

 その業界特有のCSFを特定する

 これらの要因を実行できる人材を集める

 

 流通業界では、CSFは一にも二にも立地条件。

 スターバックスは店舗の場所を決めるには膨大な時間が必要だった。立地の判断を一度でも謝れば、少なくとも50万ドルの損失。最初の1000店舗のうち、立地の判断ミスで閉店に追いやられた店舗はたった2店舗だった。

 

 業界のCSFを特定するには、業界内で成功している企業家や経営陣15-20名に対してこの質問をしなさい。答えはいくつかのテーマにまとめられるはず

 

 いったんあなたの事業絵の投資を決めたら、投じる投資を守る唯一で最良の方法は、あなたがCSFを実現することだ

 

投資家が知りたいのは

 - あなたの業界にってCSFを挙げない、片手に収まる程度で言いい。あなたがCSFを正確に特定していることを示すために、どのような根拠を提示できるのか

 - あなたのチームが、これからのCSFのそれぞれを実行できることを、言葉ではなく過去の行動か証明できるか。 起業リーダーが言葉ではなく過去の実績を示せる経営チームを結成しているということ。

 - チームを増強しなくてはならないような要因はどれか

 

8.バリューチェーンとの関係

 幸運によって好結果を生む可能性が最も高くなるのは、市場の変化に対する迅速かつ機敏な反応に必要な情報を提供してくれる「コネ」を持っている場合だ。

 

9.7つの成功条件モデルの活用

 7つの成功条件の活用の一つは、ミッション以外の6つの成功条件に点数をつければいい。ビジネスチャンスの得点が10点を超えるような成功条件を探すこと。これぞ、一生のうちに何度も経験できないような一瞬のひらめきなのだ。ニッチビジネスを求めているのであればこの基準はあまり重要でない。

 10点満点で5-6点しか取れない成功条件、別の成功条件で上げた高い点数がこの問題をカバーできるか?そうであれば、これもまた一瞬のひらめきになりえる

 

 ミクロレベル(市場の成功要件 左下)は、ベンチャーキャピタルからの支援を得るようなビジネスでは、この高得点は必要条件であっても十分条件ではない。この成功条件がディール・ブレーカーになるのは、①新ビジネスから明確なメリットを顧客に与えられていない、②既に市場で存在するメリットしか与えられない、③以上の欠点を解決する方法が何も見つからない。以上の場合はあきらめる。ミクロレベルの市場における成功条件は7つの成功条件の中で最も重要だ。

 

 ある成功条件での得点の低さが新規事業を失敗に追い込むほどの悪影響を及ぼす可能性は当然ある

 

 プロの投資家は一般には以下のt年を持つかどうかを知りたいと考えている。

 - 好ましいマクロレベルの動向に支えられた大きな成長市場

 - 魅力があり、競争力が認められる業界、4-5つの好ましい競争力の存在

 

投資を検討中の人々あら投げかけられる重要な2つの問い

 - このビジネスチャンスはなぜ成功するのか。成功する要因を1つか2つ挙げるとすればそれはどこか。

 - このビジネスチャンスは、なぜ失敗するのか。そのリスクがどこに存在するのか。あなたのビジネスチャンスや経営チームでそのリスクをうまく軽減できるのは何なのか。

 

10.ビジネスプランをまとめる前に

 あなた自身やアイデアに、投資家はそれほど重要視しない。少なくてもビジネスのスタート時はそうである。投資家が重要視するのは、顧客の問題やニーズを解決することができ、それが大きな利益や成長につながるかという点だ。

 

顧客中心のフィージビリティスタディ

1.概要

2.ミクロレベルでの市場評価 顧客が代価を払う根拠を添える

3.マクロレベルでの市場評価

4.マクロレベルでの業界評価 5F

5.ミクロレベルでの業界評価 自社評価

6.チーム評価

7.まとめと結論 何故魅力がある、その根拠となる正常条件を1つ(多くても2つ)