田村耕太郎『世界のエリートは、なぜ歩きながら本を読むのか?』のまとめ | 朝礼・商談・接待のネタ帳!ビジネス書を超読み解く

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いつも仕事が忙しいビジネスパーソンへ。本を読む時間のない人向けとして私が読んだビジネス書を解説をしています。


※要旨

・私がこの本を書こうと思ったのは日本のリーダー像と世界のリーダー像に大きな乖離があると感じたからだ。
もっといえば、現代日本人をリセットして、文武両道が当たり前だった古来の日本人の生き方に戻すためである。
織田信長も宮本武蔵も嘉納治五郎も、武道の達人であると同時に、
科学・戦略的思考・芸術に通じた人物であった。

・アメリカの再生を主導するリーダーたちは頭だけでなく、
心も身体も鍛えられた猛者たちである。
その点、日本のリーダー層は運動が足らない。
コンディショニングが今ひとつなのだ。

・久々にアメリカに住むことになり、アメリカのエリートは例外なく朝型となっていることを再認識した。
社交は朝食とランチが中心。
ビジネスの交流はたいていパワーブレックファストにパワーランチなのだ。

・早朝ワークアウトやトレーニングは、まず脳にいい。
朝から大きな筋肉を適度に動かすと記憶をつかさどる海馬の血流がよくなる。
記憶力も頭の回転もよくなる。
肉体を鍛えることと脳を鍛えることは切っても切り離せないのだ。

・世界を動かすユダヤ系の人々の間では座禅が大流行。
ダボス会議に行くよりニューヨークの禅道場に通うほうがいい人脈ができるといわれているくらいだ。

・すべての鍵は「文武両道」にある。
世界に目を移せば、私が世界中で見てきたパワーエリートたちは文武両道が当たり前。
タフな決断を連続で迫られる舞台では、的確に状況を見抜くための「文」と、
激務をこなす体力である「武」が揃っていなければ、切り抜けていくのは難しい。

・ハーバードビジネススクール(HBS)のカール・ケスター副校長に、
卒業後に目立って成功する学生のバックグランドを聞いた。
彼は言う。
「軍隊だよ。彼らは本当に素晴らしい。
彼らの大半は実戦経験がある。
アフガニスタンやイラクから帰還した連中で、みんな極限の状況で生き抜いてきた。
リーダーシップや実戦がどういうものか身をもって理解している。
軍隊経験者の魅力は仲間を見捨てないこと。
彼らには人望がある。
HBSは成績を巡って競争が激しいが、同時にチームワークやリーダーシップを養成する場所。
彼らは仲間にも協力を惜しまないので人望も人脈も築きやすい。
それがまた勉強の支援につながる」

・私が敬愛する85歳の超人投資家デイビット氏がいる。
毎日懸垂を10回やっている。
彼の自宅には大学の図書館顔負けの書庫がある。
そこで科学や歴史まで本を読み漁って常に知識を更新している。
彼は若者の面倒見がいい。

・オリンピックの陸上競技で9つの金メダルを獲得したカール・ルイスは、
草食動物を観察し、
「自身の運動能力を最大限に向上させるためには、
肉食動物より草食動物になるべし」と結論を経てベジタリアンに転じた。

・朝起きて10分か、夜寝る前に10分座禅で心を整えて、一日を過ごす。
座禅の効果で、私が感じたのは2つ。
ストレスコントロールと直感力が高まるということだ。

・グローバルな人材で武器になるのは鍛えられた肉体である。

・世界最高峰のシンクタンク、「ランド研究所」の研究員たちは、
サンタモニカ地元民に溶け込んで朝夕と、ビーチでひと汗流している。
本部の1階にある図書館の裏側には大きなシャワー室がある。
「鍛えるのが脳にいい」などとはいちいち誰も言わない。
当たり前のように身体と頭をフル回転させ、世界に衝撃を与えるアイディアを皆が作り出している。

・機能する脳は鍛えていないカラダに宿らない。
世界が答えを出せない難問だけを相手に格闘する世界最高の研究員達に必要なのは、
高層ビル群や議事堂やホワイトハウスではない。
世界最高のビーチシティというフィットネス空間が不可欠なのだ。