★日本の世界遺産は
自然遺産が5件で
文化遺産が20件です


文化遺産20件を見ていきます

★「北海道・北東北の縄文遺跡群」は
北海道、青森県、岩手県、秋田県にある縄文遺跡群で
2021年 基準③と⑤で登録されました

サケ、貝類の入手できる河川や干潟
内湾、湖、沼や 山地、丘陵 平地 低地、ブナやクリの群生地など 

変化に富んだ地形で集落の選地に多様性があり 豊かな資源を入手していたと思われます

約1万5000万年前 
豊かな森林や水産資源を利用し土器を利用し 定住を開始し
その後1万年以上 集落を発展・成熟
させたといいます

集落展開、精神文化に関して
定住の開始、発展、成熟の3段階
6つのステージに分けられ

居住地だけから、貯蔵施設、捨て場、
墓が出現し 拠点集落ができ 小規模の集落に分散し 共同墓地になってきているようです

紀元前約7000年頃温暖化のピークで縄文海進(海岸線が内陸に移動)が進んだという


★「平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群−」は岩手県の遺産で

6世紀に伝来した仏教が
12世紀末 末法思想(教えが守られなくなる時代がくるという考え)と共に

浄土思想における仏国土(浄土)を空間的に表現することを目指し築かれた

藤原清衡(きよひら)、2代基衡(もとひら)、3代秀衡(ひでひら)が 中尊寺、毛越寺、観自在王院、無量光院 4つの寺院と庭園づくりを実現し
(慈覚大師円任が基衡のもとで毛越寺を再建)

4代泰衡(やすひら)の時藤原氏滅亡


★「日光の社寺」は栃木県の遺産です

8世紀末 
修験道の高僧 勝道上人(しょうどうしょうにん)が日光山を開山し
約1200年発展してきた霊場です

東照宮は神格化された自然環境を背景にその前面の傾斜面に
社殿を位置する配置です

1634〜1636年に「寛永の大造替」と呼ばれる大改修が行われました

神仏習合の思想
山岳信仰と仏教が結びついた修験道
亡くなった偉人を神として祀る「人物神」
さまざまな信仰形態が混在しているのです


★「富岡製糸場と絹産業遺産群」
群馬県の遺産で
1872年 ポール・ブリュナを招聘し
指導の下
明治維新後早い時期に
初の官営器械製糸場が完成し
フランスから養蚕技術が移転されたのです
木造の柱に西洋レンガ、窓ガラスや蝶番をフランスから輸入し組み合わせ
トラス構造の屋根組みで和洋折衷の建造物群を立てたのです

政府は「富国強兵・殖産興業」に重点を置き 生糸を主要輸出品の1つとしました

工女を集め のちに彼女たちが習得技術を日本各地に広めたのです

構成遺産の田島弥平旧宅は
換気のため「越屋根」を備え
「清涼育(せいりょういく)」を確立し
高山長五郎の生家は「清温育」を確立しました



★「ル・コルビュジェの建築作品:近代建築運動ヘの顕著な貢献」は
7カ国17の資産で構成されています

20世紀を代表する建築家の概念が世界に広がり
フランス10件、スイス2件、アルゼンチン1件、インド1件、ドイツ1件、ベルギー1件、日本1件

「シリアル・ノミネーション・サイト」で「トランスバウンダリー・サイト」「トランスコンチネンタル・サイト」なのです

合理的、機能的なデザイン原理は
近代建築の5原則(ピロティ、水平連続窓、屋上庭園、自由な平面、自由なファサード)などで
1928年 完成形の「サヴォア邸」
柱で建物を支え 軽やかな印象です

日本の西洋美術館ではピロティが見られ 無限成長美術館の概念が取り入れられているのです


★「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」
は静岡県と山梨県の遺産で
日本や日本文化を象徴する記号として
海外にも知られています

「擬死再生」(苦しい行の中で一度死んだようになり新しい力を得て生まれ変わる)を成し遂げる文化的伝統が
育まれたといいます
16世紀−17世紀 長谷川角行は穴にこもり修行し 後に「富士講」を創始しました
11世紀頃 登拝が行われるようになり
19世紀の葛飾北斎や歌川広重の
浮世絵は海外にも影響を与えました


2024年ゴールデンウィークに
芝桜との写真を撮るため多くの観光客が訪れ 
コンビニと富士山の写真を撮るため
外国人らが殺到しマナーなどの問題も起こっているようです


★「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は岐阜県、富山県の遺産で
釘などの金属物は一切使用しない工法でできています
ドイツの建築家ブルーノ・タウトは合理的で論理的だと言っています

豪雪地帯で45度から60度の急斜面の屋根で 小屋組と軸組を分離する ウスバリ構造です

13世紀半ば 浄土真宗が広まり
相互扶助の「結(ゆい)」なども生み出されました


★「古都京都の文化財」
8世紀末から19世紀まで日本の首都が
置かれた京都には
和様(12世紀まで)、桃山様式(16,17世紀)などいろいろな建築様式や庭園が見られます

東、北、西を緑豊かな山に囲まれた盆地に 市中は都市の機能
周囲の山は寺院や別荘が建てられて 17資産が登録されています
延暦寺は滋賀県です


室町時代 北山文化
15世紀 東山文化が栄えました
1467年から10年の応仁の乱で多大な被害を受けた京都ですが
その後幕府や豪商が保護し 法律ができて守られています


★「古都奈良の文化財」
710年から784年まで74年間
唐の長安をモデルにした
平城京に日本の都がありました

春日山原始林を含む8件が
登録されています

唐から学んだ律令制が定着し
仏教興隆政策のもとで建造物が建てられたといいます


★「法隆寺地域の仏教建造物群」
7世紀から19世紀までの木造建造物が
1つの地域に保存されているのは他に類がないそうです
法隆寺の47棟と法起寺の1棟で構成されていて 
11棟は8世紀以前に建造された世界最古の木造建造物です

12世紀頃に聖徳太子信仰が広まりました

★「紀伊山地の霊場と参詣道」
三重県、奈良県、和歌山県にまたがる
遺産です
空海によって創建された
高野山には多くの仏教建築が残されていて 金剛峯寺を中心とする真言仏教の霊場で 標高800メートルの山上にあり「八葉(はちよう)の峰」と呼ばれます

神仏習合に基づき山岳景観と共に
浄土教、修験道の聖地として霊場が形成されました

吉野・大峯
熊野三山
高野山 とそれらを結ぶ参詣道で構成されています

日本ではじめて文化的景観が認められています


★「百舌鳥・古市古墳群」は
単なる墳墓だけでなく葬送儀礼の舞台としてデザインされています

百舌鳥エリア(大阪府堺市)の
仁徳天皇陵古墳
古市エリア(藤井寺市、羽曳野市)の
応神天皇陵古墳 など
45件 49基(陪家ばいちょう含む)の
大小様々な古墳で構成されています

前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳
4つの形式があります

姫路城へ続く