八日目の蝉/角田光代
中央公論新社:2011
p376:15cm
ISBN:978-4-12-205425-7
¥590


*内容*
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。


東京から転々と、女たちに匿われながら最後は小豆島へ。

誘拐犯と誘拐された子供の、偽りの母子の日々。



*感想*
これ、誰も幸せにならないパターンのやつ…。

一応、誘拐された子供は、前を向いて歩き出す、って感じにはなってるけど、ほんとただ切ないだけのやつ…。


人って、追い詰められると、自分でも制御できない何かに突き動かされて途方も無くとんでもないことをやらかしてしまうものなんだなぁ。


それにしても、丈博!何やってんだよー!


そんでもって、その妻も!


そもそも、既婚で妻が妊婦なのに浮気し続けて浮気相手に子供堕ろさせるとか、どっちにも適当に嘘ついて自分だけ楽しい思いしてどっちつかずとか、アホなのー!?


妻は妻で、旦那のせいとはいえ自分も浮気してるし、希和子も希和子でアホな男を見限れなかった弱さがあるし、1番被害被って人生めちゃくちゃにされたのは誘拐された子供!


子供を誘拐された夫婦も、子供を誘拐した希和子も3人が3人ともどうかしてるし、3人ともそれぞれ程度は違えど罪を犯していて、その中でも誘拐なんて許されない罪を犯して逃亡してる希和子なんだけど、なんでだか読んでるうちに、逃げのびて!っていう応援する気持ちになるのはなんでなのかなぁ。


誘拐された子供だけど、誘拐犯で偽物の母親だけど、それでも計り知れない母性に守られて幸せに暮らしていた様子が、そういう気持ちにさせるのかなぁ。


生みの親に戻されたから、その瞬間から元の人生に戻れて幸せになれる、っていうもんでもないね。


読み終わった後、切ないような、不幸しかないような、救いもあったのかもしれないと思えるような、なんとも言えない気持ちになる。


*個人的に印象深い台詞*

「ばればれなのに嘘をつこうとするところ」


*個人的面白かった度*
★★★★☆
(★5つが最高)