自分の思いどおりになることなんてほとんどなかったような時代で、
ひとはそれぞれ自分の陣の損得に毒された判断を重ねて生きています。

そんな中、主人公の景は自分の理屈のみでものごとを判断して、まっすぐ前に進む女性です。

素朴で美しい生き方をしている人びとに惚れ込み自身の進む道を選んでいく様は潔くて、
わたしはすぐに景を好きになりました。

醜女(しこめ)で悍婦(かんぷ)である景ですが、
具体的な描写では
"身の丈六尺(約180センチ)"で"妙に細長"く、"脚と腕は過剰なほど長く""長い首""小さな頭"
とモデルのよう。
貌(かお)についても、
"鼻梁は鷹の嘴のごとく鋭く""高く"、その眼は"巨大"で"眉は両の眼に迫り"、"口は大きく、唇は分厚く"‥
ハーフ美女なのだと確信しました。

同じ海賊頭との結婚を夢見ていますが、
女子力の高さと言うより海賊力の高さからなのでしょうか。

海賊として生きることへの愛と誇りを感じます。

そんな誇りや天性の勘と逞しさ、恵まれた体格、不屈の精神に、

ただただ惚れ惚れしてしまいました。