グラハム・ボネット率いるアルカトラスの2ndアルバムで1985年3月にリリースされた作品です。1stで大活躍したイングヴェイ・マルムスティーンが脱退し、新ギタリストとしてスティーヴ・ヴァイが加入してこのアルバムが制作されました。

  

 

 

レコーディングメンバーは

Graham Bonnet・・・Vocals

Steve Vai・・・Guitar, Backing Vocals

Jimmy Waldo・・・Keyboards, Backing Vocals

Gary Shea・・・Bass

Jan Uvena・・・Drums, Backing Vocals

プロデュースは Eddie Kramer です。

 

 

A-① God Blessed Video (Graham Bonnet, Steve Vai)

アルバムを初めて聴いたとき1曲目のこの曲にちょっとガッカリしたのを覚えてます。というのも決めのフレーズのないギターリフにびっくり。イングヴェイの代わりに加入したギタリストだからめちゃくちゃ期待してました。サビとかギターソロは凄いプレーしてるんですけどね。キーボードも前面に出てきてるせいもあります。

 

 

A-② Mercy (Bonnet, Vai, Jimmy Waldo, Gary Shea, Jan Uvena)

A-①でがっかりしただけに(最初だけですよ)2曲目のイントロのギターリフに大満足。このアルバムの凄いところはとにかくギターリフ!ギターリフの玉手箱と言ってもいいサウンドがあちこちにあるんです。

 

A-③ Will You Be Home Tonight (Bonnet, Vai, Waldo)

静かに聴かせるタイプの曲の時、スティーヴはアコースティックギター使わないですよね。エレクトリックギターのアルペジオ弾きで通してます。グラハム・ボネットも一生懸命歌っていて好感がもてる曲です。

 

A-④ Wire And Wood (Bonnet, Vai)

再びナイスなギターフレーズから始まるアップテンポな作品。ハードロックという観点から観るとスティーブが一番いいギター弾いていたのはデヴィッド・リー・ロスでもなくホワイトスネイクでもなくアルカトラスだと思っています。

 

 

A-⑤ Desert Diamond (Bonnet, Vai)

ねっ、この曲もアコースティックギターじゃないんですよね。普通のハードロックギタリストならアコースティックギター使いそうな作品です。そして決してヒット曲狙いでない作風がいい。LAメタルなら媚びを売るようなアレンジになりそうな曲ですけどね(誤解しないでね、僕はLAメタル大好きですよ、特にチャラチャラしたバンドが)。そういえばこの曲の出だしのヴォーカルがレインボー時代のロニー・ジェイムス・ディオみたいだと思うのは僕だけだろうなあ。すぐにグラハム節になるけど。

 

B-① Stripper (Bonnet, Vai)

めちゃめちゃ速いギターリフからの超アップテンポな曲。こんなに速いリズムだとストリップのお姉さんもあっという間に全部脱いじゃいそうです。このアルバムの特徴として全体に湿り気なしのカラッとしているハードロックなんですよね。様式美とは対極的な位置にある作品ですね。

 

 

B-② Paited Lover (Bonnet, Vai)

またまたいいギターリフです。リフを聴くだけで飯が美味い。ヴォーカルのバッキングでもいいギター弾いてるんですよ。ギターソロも叙情的なメロディなんかなしで衝動的フレーズで弾き倒します。よくもまあグラハムはこんな上手いギタリスト見つけたもんだなあ。

 

B-③ Lighter Shade Of Green (Vai)

インストゥルメンタルの曲でスティーヴ・ヴァイの一人舞台。ちょっと小休止といったところでしょうか。

 

B-④ Sons And Lovers (Bonnet, Vai)

気分も新たに再びカッコいいギター登場。曲のメロディはけっこうポップな感じなんだけどポップソングにさせないサウンドが最高です。コーラスもよくできた作品になってますね。

 

 

B-⑤ Skyfire (Bonnet, Vai)

シンセサイザーとギターのコラボによるイントロもいいし、ヴォーカルもそんなにダミ声になっていないクリーンな感じでサラッと決めてます。スティーヴ・ヴァイのグイーン(キュイーン?)という感じのギターが素敵です。

 

B-⑥ Breaking The Heart Of The City (Bonnet, Vai)

引きずるようなサウンドと低音域を活かしたグラハムのヴォーカルが最後の曲っていう感じが出てます。こういう曲は重たくて暗い感じになりやすいんだけどスティーブがギリギリのところでそれを阻止しているようなイメージの作品です。

 

1stアルバムでもそうでしたがギタリストがほとんどの曲を作っているので脱退すると音楽性が全然変わってしまうのがアルカトラスの特徴ですね。もちろん僕は断然スティーヴ・ヴァイ派。スウェーデンの生意気な小天狗よりよっぽどいい。プロモでのカメラ目線も大好き。スティーヴ・ヴァイにはずっとハードロックやっててほしかったなあ、ヴォーカルがいるバンド体制でね。