あまりにも有名なデビュー曲 "Sherry" でおなじみのフォー・シーズンスの12枚目のアルバム(ライブアルバム含む)で、1967年5月にリリースされた作品です。

  

さすがに中古CDしかないようですね。

 

レコーディングメンバーは

Frankie Valli・・・Vocals

Bob Gaudio・・・Keyboards, Vocals, Guitar

Tommy Devito・・・Giutar, Vocals

Joe Long・・・Bass, Vocals

プロデュースは Bob Crewe

当時のレコーディングはデータを残す習慣がないので詳細は分からないのが現実ですが。

 

A-① C'mon Marianne (L. Russell Brown, Raymond Bloodworth)

フォーシズンスにとっては60年代最後のトップ10になったヒット曲です。この曲は人気があるのか Grapefruit (60年代の英国バンドでAC/DCのマルコム&アンガス・ヤング兄弟のお兄さんがいたバンド)や Donny Osmond がカバーしています。なお、作者の二人はソングライターとしてコンビを組んでいくつもの曲を世の中に提供しているようです。

 

A-② Let's Ride Again (Bob Crewe, Bob Gaudio)

このアルバムからシングルカットされた曲はA-①③、B-②の3曲ですが、僕がこのアルバムを取り上げたのはシングルにならなかった彼らのオリジナルソングと外部ライターの作品が同居しているなか、シングル中心であった彼らがいかに良質なアルバムを制作していくのかがこの時代の象徴的なことだと思ったからです。みんなビートルズのようにはいかないんですよね。レコード会社の重役はいかにシングルを売り上げるかにしか興味のない時代。この曲はそんな時代の彼らのオリジナル曲のひとつ。ファルセットのコーラスが聴けるのはいつものことですがメロディがいろいろと展開していて楽しい作品となってます。

 

 

A-③ Beggin' (Gaudio, Peggy Farina)

ボブ・ゴーディオと共作している Peggy Farina はアメリカのポップシンガーだそうです。60年代中期頃の彼らの曲らしい作品になってますね。初期のコーラスグループからの脱却を図っている頃の曲調ですね。

 

A-④ Around And Around (Crewe, Gaudio)

コーラスに彼ららしさが出ている佳曲。個人的にはエレクトリック・ピアノの音が凄く好き。

 

 

A-⑤ Good Bye Girl (Crewe, Gaudio)

安心のクルー=ゴーディオのコンビによるコーラスを中心とした作品です。

 

B-① I'm Gonna Change (Angelo Cifelli, Mike Petrillo)

この曲はいかにも60年代の曲っていうサウンドしてますね。バックのストリングスなんてモロですよね。

 

B-② Tell It To The Rain (Angelo Cifelli, Mike Petrillo)

すでにシングルとしてリリースされていた作品です。いつもの美しいコーラスが抑え気味なのがちょっと物足りないかなあ。

 

B-③ Dody (Crewe, Gaudio)

このアルバムでクルー=ゴーディオの4つ目の作品ですが、外部からの作品より時代遅れな感じがしない気がします。

 

B-④ The Puppet Song (Artie Schroeck, Jet Loring)

作者は Artie Schroeki は作曲家、Jet Loring は作曲家であり歌手。この曲でのアレンジも Artie Schroeck なので書き下ろしかもしれませんが詳細はわかりませんでした。ちなみに Artie Schroeck がアレンジした曲はA-③④、B-①②④になります。彼のアレンジはこのアルバムに限るとストリングスに特徴があるようです。

 

B-⑤ Lonesome Road [The Wonder Who?] (Herb Bernstein)

作者のハーブ・バーンスタインは1960年代から1980年代にかけてプロデューサー、アレンジャー、指揮者、作曲者として活躍していた人です。また、The Wonder Who? とは彼らのお遊び変名グループ名のこと。この変名バンドはフランキー・ヴァリのファルセットヴォイスが特徴となっています。

 

 

 

シングルの時代からアルバムの時代に変わっていく過渡期のアルバムのひとつです。今の時代からみると、どうしてもアルバム重視のミュージシャンに焦点が当たりがちですがそうではないミュージシャンもたくさんいます。でも、当の彼らはそんなこと無自覚で気楽にやってたりしてそうでそんなこと気にしているのは後追いのリスナーだけかもしれませんね。暑い今日この頃、こういうアメリカンポップスもいいと思いませんか?