1970年代にミュージシャンに人気のあったバンド、リトル・フィートを取り上げてみようと思います。この作品は1stアルバムで1971年1月にリリースされました。
さすがに入手はちょっと難しいのかも。アマゾンでは見つけられませんでした。1stと2ndはけっこうないんですよね。3rd以降だと手に入るんですけどね。
レコーディングメンバーは
Lowell George・・・Guitar, Harmonica, Vocals (Lead Vovcals:A-①, B-④を除く)
Bill Payne・・・Keyboards, Vocals (Lead Vocal:A-①, B-④)
Richard Heyward・・・Drums, Backing Vocals
Roy Estrada・・・Bass, Backing Vocals
プロデュースは Russ Titelman (Randy Newman, George Harrison, Eric Clapton, Christine McVie, James Taylor などの作品をプロデュースしています)。
ゲストプレイヤーとしては
Ry Cooder・・・Slide Guitar (A-⑤), Guitar (B-①)
Sneaky Pete・・・Pedal Steel (B-③)
Russ Titelman・・・Piano (B-③), Backing Vocals, Percussion
Kirby Johnson・・・Strings & Horn Arrangements
ローウェル・ジョージもスライドギターの名手なのになぜライ・クーダーが参加しているか?レコーディング中の時期にローウェル・ジョージが模型飛行機を制作中に指に怪我をしたためだそうです(模型飛行機を何に使うか→ドラッグの運搬に使うとの話もあります)。アメリカのミュージシャンらしい怪我ですね。
A-① Snake On Everything (Bill Payne)
後期のリトル・フィートに比べるとずっと泥臭く、オールマン・ブラザーズ・バンドに近いくらいです。のっけからのローウェル・ジョージのスライド・ギターはさすがの一言。
A-② Strawberry Flats (Payne, Lowell George)
サザンロックなどでもてはやされたレイドバックという言葉が似合うような曲です。このアルバムが出た1971年にはまだレイドバックなる言葉は流行してませんが。後期の6人体制に比べて4ピースバンドのため各楽器の音が明瞭に聞き取れます。
A-③ Truck Stop Girl (Payne, George)
ザ・バンド風な曲かな。ヴォーカルの泥臭さ、ピアノの音がそう思わせます。アルバム全体もザ・バンドっぽい感じがします。
A-④ Bridge Of Jesus (Payne, George)
アメリカではカントリーかソウルの影響を受けているミュージシャンが多くてこの曲を聴くと直接ではないのですがカントリーフレイバーを感じちゃいます。
A-⑤ Willin' (George)
冒頭でも書きましたがついにライ・クーダー登場。それもローウェル・ジョージの曲なのに。ライ・クーダーのスライドギターはローウェルのそれに比べるとちょっとフィーリングが違いますね。ライ・クーダーのほうが破綻のない演奏です。ローウェルのほうがワイルドかな。
A-⑥ Hamburger Midnight (George, Roy Estrada)
リトル・フィートらしい曲ですが、後期の作品に比べるとスライドギターを弾き倒してる印象があります。後期はもう少し大人になってますかね。
B-① Forty four Blues (Roosevelt Sykes) / How Many More Years (Chester Burnett)
作者の二人はどちらも黒人ブルースマン。Chester Burnett は Howlin' Wolf といったほうがわかりますよね。バリバリのブルースなのにローウェル・ジョージのギターではありません。ハーモニカはローウェルだけにギターも弾けよ!と言いたくなりますね。
B-② Crack In Your Door (George)
リトル・フィートの音楽ってジャンル分けしにくいんですよね。ノンジャンルの魅力というか何でもできちゃうという余力を感じる演奏なんですよね。その点この1stは初々しいところがあっていっぱいいっぱいのところがかわいいですね。
B-③ I've Been The One (George)
ペダルスティールやピアノ(ビル・ペインではないゲストの演奏)が参加してるようにカントリー色の強い作品です。
B-④ Takin' My Time (Payne)
ビル・ペインのヴォーカルになぜかホッとします。リトル・フィートに関しては7枚目の "Down On The Farm" から順に古い方へ聴いていったのでこれが最後に聴いたんですよね。後期はローウェルがだんだん参加しなくなってビルのヴォーカルを聴くことが多くなったからかなあ。
B-⑤ Crazy Captain Gunboat Willie (Payne, George)
この曲もザ・バンド風といった感じでしょうか。デビューアルバムだけにやりたい曲をやってみました的な様々なジャンルの作品が登場します。
評論家とかミュージシャンから支持のあるバンドとして紹介されたのですが、中高生の時にはどこがいいのかわからなかったです。30歳ぐらいかな、聴くようになったのは。どういうところがいいとかじゃなくて何となくたまに聴きたくなる音楽なんですよね。