イエスのドラマーだったアラン・ホワイトが26日に亡くなったそうで、急遽彼のドラムが聴けるアルバムを1枚選ぼうと思い、まだ取り上げてないアルバムからこれを選びました。私のような古い人間にはスティーブ・ハウじゃないイエスは考えられない思いでこの作品に出合った記憶があります。前作 "DRAMA" での新加入のバグルスの二人には何の抵抗もなかったのですが... イエスとしては12枚目(ライブ1枚を含む)のアルバムで1983年11月にリリースされた作品です。
メンバーは
Jon Anderson・・・Vocals
Chris Squire・・・Bass, Vocals
Trevor Rabin・・・Guitars, Keyboards, Vocal
Alan White・・・Drums, Percussion, Vocals
Tony Kaye・・・Keyboards
新メンバーは元ラビットのトレバー・ラビンと出戻りのトニー・ケイ。プロデュースは前作でヴォーカルを務めた Trevor Horn 。
A-① Owner Of A Lonely Heart (Trevor Rabin,Jon Anderson, Chris Squire, Trevor Horn)
このギターリフが一般向けしたものの古くからのイエスファンの一部から嫌われてしまったのかな。一時メンバーだったエディ・ジョブソンがメンバーだったらもう少しプロクレファンの心をつかめた気がするんですけどね。ジョン・アンダーソンもクリス・スクワイヤもアラン・ホワイトも元気いっぱいですよ。最初で最後のイエス史上初の全米1位を獲得した作品なんだから恐れ入ります。
A-② Hold On (Rabin, Anderson, Squire)
間違いなくギターはプログレというよりハードロックですよね。そこにイエスの3人が絡んでいく音楽です。だから新バンドとして聴けば面白い。 DEEP PURPLE の "Come Taste The Band" と置かれた状況は似ています。
A-③ It Can Happen (Squire, Anderson, Rabin)
シタールのイントロになぜかほっとします。そしてトニー・ケイのキーボードがやっといっぱい聴ける楽曲です。アルバム全体にもっとキーボードをフューチャーしておけばプログレッシブロックとしてはよかったのにね。
A-④ Changes (Rabin, Anderson, Alan White)
今日のメインテーマであるアラン・ホワイトが曲作りに参加した作品。彼はロックドラマーなので前任者のビル・ブラッフォードとはタイプが異なるドラマーですよね。木琴のようなサウンドにアラン・ホワイトのドラムが絡むイントロ。トレバー・ラビンのヴォーカルをフューチャーした曲です。もちろんジョンも歌ってますが。
B-① Cinema (Squire, Rabin, White, Tony Kaye)
インストルメンタルの曲で本作品で最も旧来のイエスに近い作品かも。演奏する4人がそれぞれ頑張っていて楽しい。
B-② Leave It (Squire, Rabin, Horn)
頭のコーラスはイエスそのものだよね。その後のリードヴォーカルとバッキングヴォーカルは90125イエスのスタイルになってます。1983年という時代を考えるとこれで良かったんだと思います。アコースティック・ギターとか叙情的パートが無いのは寂しいですが。
B-③ Our Song (Anderson, Squire, Rabin, White, Kaye)
この曲はかなりポップな作りですね。トニー・ケイのキーボードは前面に出ることなく各フレーズをおしゃれに決めてくタイプなんですね。リック・ウェイクマンのようなクラシカルで大仰なプレイはないです。
B-④ City Of Love (Rabin, Anderson)
ジョン・アンダーソンだけはどのアルバムも不変なヴォーカルを聴かせてくれますね。まあ、変わりようがないか。この曲ではクリス・スクワイヤのコーラスもイエスらしくていい。個人的にはトレバー・ラビンのギターソロだけう~んかな。
B-⑤ Hearts (Anderson, Squire, Rabin, White, Kaye)
ジョンとクリスのヴォーカルハーモニーが楽しい曲。曲の長さも7分超というのがプログレファンには嬉しい。後半でハードに決めるギターのバッキングでのドラムが力強くてアラン・ホワイトならではのプレイじゃないでしょうか。
イエスの今までの作品の音楽性を求めなければ良質なアルバムです。イエス再結成のきっかけとなったバンドであるシネマのメンバー、クリス・スクワイヤ、トレバー・ラビン、アラン・ホワイトの3人がとても元気ですね。ジョン・アンダーソンが加入しなければそれはそれで面白いバンドに発展していったのでは?と思ってしまいます。