ロン&ラッセル兄弟がイギリスに渡って再デビュー。これが見事に当時のグラムロックブームに乗って大ヒット。その再デビューアルバムで1974年5月のリリース。イギリスではアイドルバンドだったようです。




メンバーは
Ron Mael・・・Keyboards
Russell Mael・・・Vocals
Adrian Fisher・・・Guitar
Martin Gordon・・・Bass
Dinky Diamond・・・Drums


曲は2曲を除いてロンの作品。
A-①This Town Ain't Big Enough For Both Of Us

不思議な感じのキーボードによるイントロからこの時代特有のスパークスサウンドが炸裂します。ファルセットを多用した中世的なラッセル・メールのヴォーカルも個性的です。

A-②Amateur Hour

ギターの単音リフが耳に残る名曲。ちょっと屈折しているんですが、アップテンポな楽しい作品です。ロンのエレピも独特のトーンですよね。


A-③Falling In Love With Myself Again

不思議なメロディの曲。なんと表現したらいいかわからないタイプの作品です。

A-④Here In Heaven

マイナー調のメロディをアプテンポで演奏するスパークスらしい作品。ほぼ全曲に渡って聴こえるロンのエレピが好きじゃないとこのアルバムはきついかな。

A-⑤Thank God It's Not Christmas

タイトルから考えるとクリスマスソングなのかな。まったくそういう雰囲気は感じさせない作品です。普通のスパークスの曲です。

B-①Hasta Manana, Monsieur (Ron&Russell Mael)

この曲の演奏はロキシー・ミュージックみたい。ヴォーカルが決定的に違うタイプですが。

B-②Talent Is An Asset

A-②と並ぶポップな曲。どちらも大好きです。どうです、このドラムとハンドクラップのリズム。ゲイリー・グリッターみたい。典型的なグラムロックソングですね。


B-③Complaints

この曲はゆったりとしたAメロからテンポアップしたサビへの流れがとってもお洒落。僕は好きだけど、そういう人は少ないかな。


B-④In My Family (Ron&Russell Mael)

何かに似ているなと思ったら、このアルバムから数年後にデビューするストラップスだ。歌い方もどことなく似ています。

B-⑤Equator

サックスが入る変なメロディの曲。ケイト・ブッシュ辺りが近い感じかなあ。とにかくメロディが全曲普通じゃないです。好きになれるかどうかが問題ですね。最後の部分は気持ちいい感じではないんです、終わり方が。

僕はこのアルバムとすでに取り上げた次の作品が好きです。真のファンは違うんでしょうけど、これより前の2枚のアルバムもこれ以降のアルバムもあまり好きではありません。
たぶん、マフ・ウィンウッド(スティーヴィ・ウィンウッドのお兄さん)のプロデュースとエイドリアン・フィッシャーのギターが僕の好みに合うんでしょうね。

《2022年5月7日追記》
ドキュメンタリー映画やAPPLEのCMでこのアルバムの曲が流れているからなのか検索数が多いのでちょっとだけ追記します。
CMで使われているのは
A-① This Town Ain't Big Enough For Both Of Us
です。
曲も添付します。