1990年代になっても変わらない作品を出してくれたロリー・ギャラカー。残念ながら彼の遺作となってしまいました。1990年5月にリリースされたアルバム。

ジャケットが2種類あるようですが、僕の持っているほうはこちら。

レコーディング・メンバーですが、
Rory Gallagher・・・Vocal, Guitar, Duicimer, Mandolin, Sitar
Gerry McAvoy・・・Bass
Brendan O'Neill・・・Drums
さらにゲスト・プレイヤーとして、
Mark Feltham・・・Harmonica
Geraint Watkins・・・Accordion
John Cooke・・・Keyboards
Lou Martin・・・Piano
John Earle・・・Tenor Saxophone, Baritone Saxophone
Ray Beavis・・・Tenor Saxophone
Dick Hanson・・・Trumpet


A-①‘Kid’ Gloves
ロックンロールの典型的なリフで始まる曲。まだまだ元気でその不変さがうれしい作品。


A-②The King Of Zydeco
シャッフルのリズムにアコーディオンが絡むロック。個人的にはブレンダン・オニールのドラムが一番ロリーに合ってるような気がします。いいビートしてます。艶っぽいギターソロもいいですね。

A-③Middle Name
今度はロリーのヴォーカルとゲストのハーモニカの絡みが中心のブルース・ロック。不変のブルース・ロック魂がうれしい。何人かのブルース・ギタリストがまだ健在ですが、この人の場合はヴォーカルもギターもどこかさわやかでくどくないのがいいんです。

A-④Alexis
ギターのカッティングが印象的なインストゥルメンタルの曲です。

A-⑤Empire State Express (Eddie“Son”House)
唯一のカバー曲で、原作はブルースの巨匠、エディ・サン・ハウスの作品。ロリー得意のアコースティック・ブルース。ロリーのアルバムに必ず1曲は入ってますよね。すんごい楽しそうにいつもロリーは弾いてます。

B-①Ghost Blues
このアルバムで一番好きな曲。こういうリズムのブルース大好きです。アコースティックな感じからすべての楽器が参加するところが大好き。ドラムもハーモニカも最高です。ソロ演奏はほとんどなく総合力による勢いのあるブルース感がGood!です。


B-②Heaven's Gate
ロリーってこういうテンポの曲好きですよね。どのアルバムもワンパターンかもしれませんが、それが中毒になっちゃうんですよ、好きな人には。ミディアム・テンポのブルースですが、ギターはけっこうハードです。

B-③The Loop
再びインストゥルメンタルの曲です。ギターとホーンでの典型的なブルース。60年代のブルースロックのバンドもよくやっていたタイプの楽しい曲。


A-②Walkin' Wounded
伝家の宝刀スライド・ギターも登場するブルース・ロック。相変わらずワン・アンド・オンリーなプレイヤーです。ブルースに欠かせないホーンも参加。

B-⑤Slumming Angel
マイナー調のアルベジオで始まるロックな曲。ヴォーカルも70年代っぽい感じ。そういえば、この人の声、衰えてないですよね。手抜きが出来ない性格とともに尊敬します。

遺作で、「ゴースト・ブルース」や「ヘブンズ・ゲート」っていうタイトルの曲は何とも意味深ですね。当時はこれがラスト・アルバムになるとは思ってなかったはずなんですが。
2000年代に健在で来日してたら絶対観に行ったんだけどなあ。観れなくて後悔しているミュージシャンの一人です。

それにしても、1990年にこの音楽性は凄いですね。感心します。