Surfin' USAとBorn In The USA
月曜の夜は久々に予定が空いたので、
どこに行こうかと計画立ててたら20:00まで残業。
ぅわ、何も出来ないじゃん!…と思ってたら
池袋のTOHOシネマで21:15から『孤独のハイウェイ』上映を発見。
映画についてよく「ネタバレ」という言葉があるけど
あらすじとか言ってしまうと見る気を無くするとかよく言われてます。
この映画については、ブルース・スプリングスティーンについての
予習がないと、この人物はなんなんだとか、
さもすごそうな空気だけ伝えてて、そんなにすごいのかとか
なぜそんな心境なのかとか、全部フワフワと空中に浮かんでしまうとは思います。
意外と解説とか見てから見る方がハマるかも知れませんね。
⭐️
この映画で僕が思い出すのは、ビーチボーイズ。
ビーチボーイズは最初サーフィンミュージックから始まり
明るくて楽しい音楽をやって売れていたけど
リーダーのブライアンウィルソンの精神状態が崩壊して
夏やサーフィンが登場しない内省的な『ペット・サウンズ』をレコーディング。
レコード会社は難色を示して、実際セールスも落ちたため
ベストアルバムを出して利益を補ったことがありました。
ブルース・スプリングスティーンも『明日なき暴走』から
『ザ・リバー』からフィジカルで熱いロックンロールで人気でしたが
この映画はそのあと出す静かで内省的でどこか陰鬱な
弾き語りアルバム『ネブラスカ』の時代。
制作を巡ってプロデュース側とアーティスト側で対立します。
いずれのアーティストも、この内省的なアルバムのレコーディングをしておきながら
選曲に漏れた1曲があります。
ビーチボーイズは“グッド・ヴァイブレーション”
ブルース・スプリングスティーンは“ボーン・イン・ザ・USA”が
別途シングル発売され大ヒットされます。
ここにアメリカ国民が持つ、メンタルよりもフィジカルなものが
愛されている感じが象徴的です。
ただし、結局のところ長い歴史の中で『ペット・サウンズ』と
『ネブラスカ』がゆっくりと再評価されるんですよね。
アメリカン・ショービジネスは瞬発的な評価が計算しやすくて進んでいきやすいんですよね。
僕も昭和歌謡メドレーやらずに、胸の痛みを吐露する様な歌を歌ったら
どうなるんだろう(笑)。まぁ、お腹が空いたくらいのものしか出ませんが。
