僕の名前はロッシーです


子供の頃の記憶はあまりありません


あ、だけどママの匂いは覚えてるんだ
フカフカでいい匂いだった…

僕達の為に、必死に食べるものを探してくれて
僕達を護ってくれていた


大きくなって、気がついた時には
僕は独りぼっちだった
お腹がすいて、ママがしていたように
僕も必死に食べるものを探し歩いた


ある時、通りかかったお家の前に
たくさんのご飯があった
僕はもう何も考えられず、ただひたすら
お皿の中の物を口に放り込んだ

お家の中からニンゲンが出てきて
僕は慌てて隠れた

そっと見ていたら、僕のようにお外で暮らす子がやってきて
「今日も来たよ」ってご飯をもらってた

僕は久しぶりにお腹がいっぱいになって
そのまま眠ってしまったんだ

次の日、僕はまた同じ家の前にいた

夕方になると先輩猫達が集まって来て
僕は逃げようとしたけど
「一緒に食べようよ」って仲間にしてくれた

ニンゲンが僕に気がついて、「新入りだね」って僕にもご飯をくれた

だけど今日はお腹いっぱいにはならなかった

それでもここにいれば、きっとまたご飯が貰えるし仲間もいる


ある日ご飯をくれるおばちゃんが
誰かと外で話していた
「新入りが来たから手術してきてよ。でもお金は無いからね。」

「お金」って何だろう…


ある日僕はいつもより美味しい匂いに気がついた

でも変だな?いつものお皿じゃあない

この箱の中だ…
怖かったけど勇気を出して入った
そしたら扉が閉まって僕は出られなくなった

怖いよ怖いよ、助けて

この前、いつもご飯をくれるおばちゃんと話してたお姉さんが近づいてきた

「偉いね。頑張ったね。手術して、さくら猫になろうね。」


とても怖かったけど、僕はまた元のお家の前に帰ることができた

そしたら、いつもは僕に飛びかかってきていたボスくんが
何も言わずに隣で一緒に寝てくれたんだ


それからしばらくして
僕はあの時のお姉さんのお家の前に行ってみた


そしたらお姉さんが
あれ?きみは…どうしたの?って
オヤツっていうのをくれたんだ
お姉さんのお家の中には僕と同じような子がたくさんいて
扉が開くと、ふわっと温かい空気が流れてきた


それから時々、お姉さんは僕をみかける度にオヤツをくれた
そしていつからか、うちに来ない?と聞いてくるようになった

だけど僕は断った

だって僕にもお家があるからね
ご飯をくれるおばちゃんと、仲間が待ってるお家があるからさ



ある時から、僕はなんだか自分の身体がとても重く感じるようになった
お姉さんのお家まで歩くのも億劫で、やがて起き上がることも辛くなってしまった


僕はもう目をあけていることも辛くなった


ご飯をくれるおばちゃんが、オヤツのお姉さんのお家の前で大きな声を出していた


あの子、もうダメだと思うから
病院連れていくなり、あとのことは何とかしてね、でもお金は払えないから、だって野良猫だもの
ボランティアなんだから、面倒みるの当たり前でしょ



僕にはよくわからないけど
とにかく身体のあちこちが痛い
外は暑いはずなのに、寒くて仕方がないんだ


お願いおばちゃん…
僕のそばにいてください


だけどおばちゃんは僕を迷惑そうに見たあと扉をバタンと閉めてしまった


もしも僕が「お金」というものを持っていたならば、おばちゃんは僕を抱き上げてくれたのかな…

僕はもう動くことができない
とにかく寒くて仕方がない


ママ。ママに会いたいよ。


突然、僕は誰かに抱きしめられた

オヤツのお姉さんだ

あぁ、暖かい…
お姉さんは僕のことを優しく、フカフカの何かで包んでくれた

あぁ、ママの匂いがする

お姉さんは、とても哀しい顔をして
僕に何かを言っているけど
もう僕には何も聞こえなくて…

お姉さん…ありがとう


僕、今度産まれて来る時は
ニンゲンがいいな……

パパとママと僕
暖かいお家の中で、お腹いっぱい食べて
幸せに暮らすんだ



クローバー野良にゃんこファミリーで引き受けたTNRの現場に、アライグマが現れて困っている、という相談を受けました

先ず私達ではどうすることが最善なのかもわからず、相談者さんは既に行政にも相談済で
だけど、行政の対応を待っていられないから自分で捕獲器を買ってきたと言う

自分で捕獲して山に棄ててくる
扉が開けられなかったら、そのまま置いてくる

そう言い放ったそうです…


ちなみにその相談者さん
TNRについても、自分はご飯はあげて無いと言い張る
ガッツリお気に入りの子に名前までつけてるというのに

お金もなく、近隣の餌やりさんのせいで増えた
猫が侵入してきて困ってる
家庭の事情で費用の負担は難しい

蛇口を閉めるお手伝いができるならと
引き受けたその後で…

飼い猫も一緒にワクチンしてきてくれない?安くできるんでしょ?


ロッシーくんのこと
お姉さんが正しくておばちゃんが悪いと言ってるんじゃありません


アライグマのことも、相談者さんが悪いと言ってるんじゃありません


私には知識も解決策も無いので
何が正しいのかもわかりません


だけど、この地球は…
ニンゲンだけのものなのでしょうか…

あまりにも身勝手な発言の連発


とても哀しく…
とても辛く…


想うままに綴りましたので、読み難い点が多々あったと思います


わたくしのボヤキだと思ってください



駄文を最後までお読み下さり、ありがとうございました