私が一大決心をして、ブライトンからブリストルへ移動したのはガイフォークスの日。全国で花火大会が行われます。
施設は休み中で、2日後にみんな戻ってくるってことだった。


ブライトン駅には、語学学校の友達(Y君)が見送りに来てくれた。
彼の顔を見るなり、うれしさと不安と恐怖と、、、全てが入り混じって号泣。

「俺にはできないけど、よーこたんにならできる。がんばれよ!」

この言葉にまた涙が溢れてきた。


ブライトンからブリストルまでは電車で4時間半。
自分でも呆れるほど、とにかくずーーーっと泣いていた。
途中、海が見えなくなった辺りで、とうとう涙が枯れ果てた。


大きくため息をついて、タオルで涙を拭いたそのとき、隣に座っていたおばあさんに話しかけられた。

「なにがあったの?ずっと泣いてたみたいだけど??」

ものすごい安心できる、やさしい笑顔だった。
初めて会った人なのに、、、日本でこう思って、いざイギリスに来て望んでいた仕事がいよいよ始まるって言うのに、不安と恐怖が襲ってきてたまらない。私なんかにこんな大きな仕事が勤まるのか?って、、、全て話してる自分がいた。

おばあさんは、老人ホームにいるお兄さんに会いに行く途中だったようだ。
「兄の施設にも、外国からのボランティアの人たちがいっぱいいるわ。みんな笑顔で、嫌な顔ひとつしないでがんばってくれてる。私は、あなたが立派に仕事が出来ると思う。さぁ、もう泣いてないでがんばって!」って言われた。

なんか知らないけど、話を聞いてる間、ものすごくリラックスできた。
しゃべり方と、笑顔のせいかな?

もう少しお互いのことをしゃべって、おばあさんは、電車を降りていった。

「がんばってね!」「お兄さんによろしく。」


このあと、不思議なことにもう涙は出なかった。
「不安」が「期待」と言う気持ちに変わった。

どんな人がいるんだろう?
ボランティアの人たちと仲良くなれるかな?
みんな、言うことを聞いてくれるかな?
私のギターに合わせて、歌ってくれたら感激♪ などなど。。。


施設の最寄の駅には、これから私の父親代わりになる、ノルウェー人のアーランドさんが車で迎えに来てくれていた。
サンタクロースを思わせる、でっぷりしたひげもじゃの優しい目をしたおじさん。
一目見て「いい人に違いない!」って思ったね。

施設に着くと、キッチンでアーランドの奥さん:サンドラ(アメリカ人)に会い、これからのミーティング。
アーランドとサンドラは、遠い昔、ボランティア先で知り合い、結婚したそうだ。ステキ~♪


相部屋を想像していたけど、立派な私一人の部屋。
机・ベッド・洋服ダンス・お湯と水の使える流し・・・これだけのシンプルな部屋だった。
机の上には、摘んだばかりと思われる花が飾ってあった。

すでに幸せを感じた単純な私でした。

続く。。。






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