紙を折っている。
折ったところで何にもならない。
何にもならないのけど、
それはすごく純粋な衝動なのだ。
無性に紙を折りたいと思うのだ。
折らずにはいられないのだ。
折紙はときに、宇宙へ行ったりもするけれど、
私の折り紙は、私の机上で完結する小さな世界だ。
そのほとんどが、誰にも知られず、
こっそりと折られて、こっそりとその辺に置かれるか、
こっそりと資源ごみとなるかのどちらかだ。
私一人がその造形にうっとりとして終わる世界だ。
(たまに友達に画像を送りつけたりもするけど)
それでも私のうっとりは、そのとき世界に響き渡り、
あらゆる創造や製造や研究の世界に、
なんらかの波紋を投げかける。
時空を超えて微細な世界にその振動は伝わるのだろう。
そういうものなのだ。